仲村研

仲村研

仲村研（なかむら けん、1931年12月24日 - 1990年3月13日）は、昭和時代に活躍した日本の歴史学者であり、日本中世史研究の分野で重要な足跡を残しました。文学博士（佛教大学、1985年）。

生涯

仲村研は1931年、鳥取県境港市に生まれました。1955年に同志社大学文学部文化学科文化史学専攻を卒業後、同大学大学院に進学。1963年に同志社大学大学院文学研究科文化史学専攻博士課程を退学しました。

その後、同志社大学人文科学研究所に職を得て、研究者としてのキャリアをスタートさせます。1963年に専任研究員（助手待遇）として採用され、1964年に専任研究員（専任講師待遇）、1967年に専任研究員（助教授待遇）と昇進。1975年には専任研究員（教授待遇）となり、1978年に同志社大学人文科学研究所教授に就任しました。

1990年3月13日、58歳という若さで亡くなりました。

研究

同志社大学において、仲村研は赤松俊秀に古文書学を学び、大学院では三品彰英や秋山国三らの指導を受けました。当初は近代思想史に関心を抱いていましたが、1955年の夏に石母田正の著書『中世的世界の形成』を読んだことがきっかけとなり、日本中世史研究へと方向転換しました。

彼の研究は、荘園や惣村といった中世の地域社会の構造や社会関係の解明に焦点を当てたものが多く、地域史研究に大きく貢献しました。綿密な古文書の読解と実証的な分析に基づいた研究は、多くの研究者に影響を与えています。

著書

仲村研は、数多くの著書や論文を発表しています。主な著書としては、以下のようなものがあります。

『山国隊』（学生社、1968年）（中公文庫、中央公論社、1994年）
『京都「町」の研究』（秋山国三との共著、法政大学出版局〈叢書・歴史学研究〉、1975年）
『荘園支配構造の研究』（吉川弘文館、1978年）
『中世惣村史の研究 - 近江国得珍保今堀郷』（法政大学出版局〈叢書・歴史学研究〉、1984年）
* 『中世地域史の研究』（高科書店、1988年）

これらの著作は、日本中世史研究における重要な文献として、今日でも広く参照されています。

仲村研の研究は、中世日本の社会構造や地域社会のあり方を理解する上で欠かすことのできないものであり、彼の学問的遺産は、後世の研究者によって受け継がれています。

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