仲源寺

仲源寺（目疾地蔵）

仲源寺は、京都市東山区にある浄土宗の寺院で、寿福山と号します。本尊は地蔵菩薩であり、「目疾（めやみ）地蔵」の名で広く知られ、眼病治癒の信仰を集めています。また、観音堂には千手観音が祀られており、洛陽三十三所観音霊場の第16番札所となっています。

歴史

寺伝によれば、仲源寺は平安時代中期、仏師の定朝（生年不詳 - 1057年）によって開かれたとされています。定朝が聖徳太子作と伝わる地蔵菩薩像を胎内に納めた丈六の地蔵菩薩像を制作し、自ら開山となって創建したと伝えられています。当初は四条大橋の東北に位置していましたが、その後衰退しました。

鎌倉時代の安貞2年（1228年）には、鴨川が大雨による洪水に見舞われました。その際、防鴨河使の中原為兼が、河原にあった地蔵菩薩像に止雨を祈願したところ、雨が止み洪水が治まったと伝えられています。この出来事から、地蔵菩薩像は「雨やみ地蔵」と呼ばれるようになり、霊験あらたかであるとされました。朝廷は中原為兼の姓にちなみ、「仲源寺」という寺号を授けました。本尊の地蔵菩薩は当初「雨やみ地蔵」と呼ばれていましたが、次第に「目やみ地蔵」として知られるようになり、参拝すると目の病が治るとされ、多くの人々が訪れるようになりました。天正13年（1585年）に、寺基は現在の場所に移されました。

境内

仲源寺の境内には、以下の施設があります。

本堂：本尊である「目やみ地蔵」が祀られています。
観音堂：木造千手観音坐像（重要文化財）が安置されています。洛陽三十三所観音霊場第16番札所です。
地蔵堂
庫裏
山門

文化財

仲源寺には、以下の重要な文化財があります。

木造千手観音坐像：平安時代に制作されたもので、国の重要文化財に指定されています。

札所

仲源寺は、洛陽三十三所観音霊場の札所の一つです。

第15番札所：六波羅蜜寺
第16番札所：仲源寺
第17番札所：妙法院三十三間堂

仲源寺は通称寺の会（めやみ地蔵）にも名を連ねています。

年中行事

仲源寺では、年間を通じて様々な行事が行われています。

2月2・3日：節分会。近隣住民が、年齢と性別を記入した紙に年豆と賽銭を包み、本尊前に納めて厄払いをする習慣が現在も盛んに行われています。寺では、当日、起き上がり達磨や本尊御守などが授与されます。
3月23日：彼岸会
8月23・24日：地蔵会
9月23日：彼岸会
毎月23日：月例祈願会
毎月24日：水子供養会

所在地

京都府京都市東山区四条通大和大路東入ル祇園町南側585-1

外部リンク

洛陽三十三所観音巡礼

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