任城郡

任城郡（にんじょう-ぐん）

任城郡は、中国にかつて存在した郡であり、現在の山東省済寧市一帯に位置していました。その歴史は後漢時代に遡り、三国時代、西晋、北魏、北斉を経て隋代に至るまで、その行政区画は変遷を繰り返しました。

歴史

後漢

84年（建初9年）、後漢の時代に東平王劉蒼の子である劉尚が任城王に封じられた際、東平国が分割され、新たに任城国が設置されました。この任城国は兗州に属し、任城・亢父・樊の3県を管轄していました。

曹魏

曹魏が建国されると、任城国は任城郡へと改められました。しかし、222年（黄初3年）には、曹彰が任城王に封じられたことで、再び任城国が立てられました。その後、231年（太和5年）に任城王曹楷が任城県に改封され、翌年の232年（太和6年）には再び任城国に改封されるなど、その地位は安定しませんでした。246年（正始7年）には、曹楷が済南王に徙封されたため、任城国は再び任城郡へと改められました。

西晋

277年（咸寧3年）、西晋の時代には、北海王司馬陵が任城王に改封されたことで、再び任城国が立てられました。この任城国は、任城・亢父・樊の3県を管轄していました。

北魏

北魏の時代になると、任城郡は任城・亢父・鉅野の3県を管轄するようになりました。この時期には、行政区画の再編が行われ、管轄する県にも変化が見られました。

北斉

北斉の時代には、任城郡は高平郡と改称されました。しかし、その後、魯郡が新たに任城郡と改められるという、郡名の変更が行われました。

隋

583年（開皇3年）、隋が郡制を廃止した際、任城郡は廃止され、兗州に編入されました。これにより、任城郡という名称は歴史から姿を消すこととなりました。

任城郡は、後漢から隋にかけての時代において、その名を変え、管轄する地域を変えながら、中国の歴史の一部分を担ってきました。その変遷は、当時の政治情勢や社会構造の変化を反映しており、歴史を考察する上で重要な手がかりとなります。

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