伊予鉄道城北線

城北線（じょうほくせん）について

愛媛県松山市に位置する城北線は、古町駅から平和通一丁目停留場にかけて走る鉄道路線であり、伊予鉄道が運営しています。この路線の特筆すべき点は、道後鉄道の路線から派生したもので、松山市内を走る他の軌道が軌道法に基づいている中で、唯一鉄道事業法に基づく鉄道事業であることです。

路線概要

• - 営業距離: 約2.7km
• - 軌間: 1067mm
• - 停留場数: 9（起点と終点を含む）
• - 複線区間: なし（全線単線）
• - 電化区間: 完全電化（直流600V）
• - 閉塞方式: 特殊自動閉塞式（トロリーコンタクター方式）
• - 交換可能停留場: 3箇所（鉄砲町、木屋町、古町）

運行スタイル

伊予鉄道では、環状線において上り線と下り線で区別を行っています。1号線が下り、2号線が上りとして運行されており、昼間は両路線ともに10分間隔で運転され、ダイヤ上では一周に46分を要します。この間の4分間は市駅での待機時間に充てられています。

特に平日の朝には、古町駅からJR松山駅前へ向かう臨時電車が運行されており、全線にわたって■5号線と表示されています。この臨時便は、毎日運行される環状線下り車両（1号線）とは続行運転の形で結ばれています。

また、路線が単線のため増発は難しく、時には2両が繋がって運転されることもあります。毎年8月の松山港まつりや三津浜花火大会が行われる際には、環状線下りの最終電車が延長運転されることがあります。例えば、環状線が市駅を23時に発車するのに対し、古町行きは23時50分に運行されます。

特定のイベントの際には特別なダイヤが組まれ、愛媛マラソンの期間中は本町六丁目近くの国道196号の踏切が手動となり、木屋町と古町駅間が通票閉塞に変更されます。こうした取り組みにより、運行のスムーズさが図られるように工夫されています。

歴史的背景

城北線の起源は1895年にさかのぼります。この年、道後鉄道によって古町から道後、松山（後の一番町）間が開業されました。当初は762mmの軽便鉄道として機能しており、木屋町から道後温泉方向へ直通する形態でした。しかし、1900年に道後鉄道が伊予鉄道に合併され、1895年より運行されていた道後線が正式に立ち上げられました。

1911年には全線の軌間が762mmから1067mmに改軌され、電化が行われました。1926年5月には道後線の一部が廃止となり、1927年4月には現在の城北線が木屋町から上一万（現在の上一万）間に開業しました。

1969年12月1日には、上一万での城南線との合流が道後温泉方面から警察署前方面に変更され、それに伴い城北線の平和通一丁目から上一万間が廃止され、新しい城南線が敷設されました。

停留場一覧

城北線には、すべて松山市内に位置する停留場があります。特定の停留場については、坊っちゃん列車が停車するか、通過するかが表示されています。

このように、城北線は地域住民にとって欠かせない交通手段として位置づけられており、松山市の歴史や文化との深いつながりを持った重要な役割を果たしています。

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