伊予鉄道本町線

本町線（ほんまちせん）

本町線は、愛媛県松山市の大手町にある本町一丁目停留場から、本町六丁目停留場までを結ぶ伊予鉄道の路線です。この路線は国道196号を経由し、城南線及び花園線と城北線を短絡する役割を果たしていますが、終点の本町六丁目停留場では城北線とつながっていない点が特徴です。また、本町三丁目（旧・札の辻）停留場以北は1962年に開業したため、伊予鉄道の軌道線の中で最も新しい部分と言えます。

運行状況とデータ

2020年4月11日からは、新型コロナウイルスの影響により、平日のみの運行となり、土日祝日には全便が運休となりました。2023年11月1日のダイヤ改正を受けて、平日のみ7往復が運行される状況にあります。路線の営業距離は1.5 km、軌間は1067 mmで、停留場数は起終点を含めて5つ設けられています。全線が単線であり、電化は直流600Vの全線電化です。

本町線は、単線のため列車が同時に入線することができず、途中に列車交換用の設備もありません。このような運行形態から、近年は乗客の減少に伴い、運行本数の見直しが行われてきました。例えば、2005年11月には昼間の運行間隔が20分から30分に延長され、路面電車としては日本で最も長い運転間隔となりました。また、2018年3月には終日運行が40分間隔に減便され、2020年7月には土日祝日の運行も取りやめられました。2021年には平日のみ14往復へと、2023年にはさらに運行本数が削減されました。

使用される車両はバリアフリー対応の2100形が主に運用されており、他の形式である50形や2000形はほとんど見ることがありません。また、2025年には5000形の5016号も本町線に投入される予定です。

歴史

本町線のルーツは1911年に開通した松山電気軌道に遡ります。当時、ノアノ辻から本町までの区間は現在の路線から見て東側の路地を通っていました。1946年には松山電気軌道線が休止されてる間、それに代わり1948年に本町線として西堀端から本町三丁目までが開業しました。この際、拡幅された本町通りに軌道が移設されました。1911年の開通からは様々なダイヤ改正や運行形態の変更がありましたが、松山市にとって重要な交通手段となっています。

現在、本町線に並行して伊予鉄バスの北条線も存在し、相互に利用されています。

延伸構想

本町線は国道196号沿いに山越や鴨川方面への延伸計画が以前からあり、これは松山市駅とともに鉄道空白地帯の人口密集地域を結ぶ手段として注目されていますが、実現には複線化などが必要です。松山市は公共交通の充実とともに低炭素社会の実現に向け、整備の要望をしていますが、伊予鉄は現在具体的な計画はないとしています。このように、本町線の延伸構想は難しい状況にあり、運行本数の削減が続く中、存廃の議論も浮上しているのが現状です。

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