伊号第三百六十二潜水艦

伊号第三百六十二潜水艦（伊362潜）

伊号第三百六十二潜水艦は、第二次世界大戦期の大日本帝国海軍に所属していた潜水艦です。この潜水艦は、伊三百六十一型潜水艦の第2番艦として設計されました。その艦歴には様々な任務が含まれており、特にメレヨン島に関連した輸送作戦が記録されています。

艦歴

この潜水艦は、1942年に発表された改⑤計画第5462号艦として構想され、1943年3月17日に三菱重工業の神戸造船所で起工されました。同年11月29日に進水し、1944年5月25日に竣工を迎えました。艦は横須賀鎮守府に所属し、同日に第十一潜水戦隊に編入されました。

その後の経歴は、敵艦との接触とは異なり、輸送任務が中心でした。1944年8月15日に第七潜水戦隊に編入され、8月23日には横須賀から出航し、ナウル島への輸送任務に従事しました。9月14日には揚陸を行い、トラックを経由して10月3日に横須賀に帰投しました。この行程では、トラック島への後送者を含む85名と、傷病兵や転勤者83名を輸送し、復路では空薬莢22トンも運びました。

続いて、10月24日に南鳥島への輸送任務に出船し、10月30日に揚陸を行い、11月6日には再び横須賀に帰還します。このように、伊362潜は多くの輸送任務を担い、多大な役割を果たしました。

その後、1945年に入り、1月1日もしくは1月11日にメレヨン島およびトラックへの輸送作戦で出航しますが、伊362潜はメレヨン島に到着することなく行方不明となりました。1月14日には、アメリカのエヴァーツ級護衛駆逐艦「フレミング」による爆雷攻撃に遭い、撃沈されてしまいました。この攻撃によって、乗組員87名全員が命を落とすことになりました。

3月15日にはカロリン諸島での喪失が正式に認定され、4月10日には除籍が行われました。短命に終わった伊362潜ですが、その歴史には多くの緊張感と戦争の厳しさが刻まれています。

歴代艦長

艦長としては、南部伸清少佐が1944年5月25日から指揮を執り、続いて木原栄大尉が1944年10月10日から任を果たしました。最後には中島英之助少佐が1944年12月2日から指揮していますが、彼は1945年1月18日に戦死しました。艦長たちもまた、それぞれの艦が背負った使命をしっかりと遂行していったのでした。

参考文献

この艦に関する詳細な情報は以下の文献で確認できます。

• - 雑誌「丸」編集部『写真 日本の軍艦 第12巻 潜水艦』光人社、1990年。
• - 外山操『艦長たちの軍艦史』光人社、2005年。
• - 福井静夫『写真日本海軍全艦艇史』ベストセラーズ、1994年。
• - 防衛庁防衛研修所戦史室『戦史叢書第98巻　潜水艦史』朝雲新聞社。
• - 吉野泰貴『輸送潜水艦伊号第361型列伝　命を繋いだ12隻の航跡』大日本絵画、2020年。

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