伊号第二十八潜水艦

伊号第二十八潜水艦の概要

伊号第二十八潜水艦（伊28）は、大日本帝国海軍が建造した伊十五型[[潜水艦]]（巡潜乙型）の9番艦です。当初は伊号第三十一[[潜水艦]]として計画されましたが、1941年11月1日に伊号第二十八潜水艦と改名されました。

艦歴

1939年の第四次海軍補充計画に基づいて建造が決定され、1939年9月25日に三菱重工業神戸造船所で起工しました。1940年12月17日に進水し、1942年2月6日に竣工しました。竣工後は呉鎮守府に所属し、第六艦隊の直轄となりました。

1942年2月24日には、同じく竣工した伊27とともに第14潜水隊を編成し、3月10日には第8潜水戦隊に編入されました。

4月15日、伊28は呉を出港。4月18日のドーリットル空襲後、米機動部隊の捜索任務に就きましたが、発見には至りませんでした。4月24日にトラックに到着。4月30日、MO作戦に参加のためトラックを出港し、ガダルカナル島南西沖の哨戒線に配置されました。

5月11日、特殊潜航艇によるシドニー港攻撃に参加するため、トラックへの帰還命令を受けました。しかし、5月16日0630、ラバウル北北東250浬地点付近で機関の不調を報告したのを最後に消息を絶ちました。

アメリカ側の記録によれば、5月11日にトラックへの帰還命令を傍受した米軍は、ウルトラ情報に基づき、付近で哨戒中の米潜水艦トートグに、トラックへ向かう4隻の日本潜水艦への攻撃を指示しました。この4隻は伊22、伊24、伊27、そして伊28でした。

5月17日0534、トートグは情報通り潜水艦が接近してくるのを確認。最初に接近した潜水艦と二番目の潜水艦は取り逃がし、特に0648に二番目の潜水艦に向けて発射した魚雷は早期爆発を起こしてしまいました。三番目に浮上航走中の伊28を発見したトートグは、司令塔に「イ28」と書かれているのがはっきりと見えるほど接近し、1101に魚雷2本を発射。1本が伊28に命中し、航行不能となりました。右舷に大きく傾斜した伊28が、後部から反撃の魚雷2本を発射したと判断したトートグは、水深46mまで潜航しました。その後、1107に730mの距離から魚雷を発射。魚雷は伊28の司令塔直下に命中し、伊28は木っ端微塵に破壊されました。伊28の破片や乗組員の肉片がトートグに降り注ぎ、トートグは15分間、伊28の沈没する音を聴取。その中で発生した海中での大爆発で、トートグの艦体も揺さぶられました。沈没地点の海面には気泡が立ち上り、海水は茶色に変色しました。

この戦闘で、伊28は艦長の矢島安雄少佐以下乗員88名全員が戦死しました。沈没地点はトラック南方70km地点付近、北緯06度30分 東経152度00分です。

1942年6月15日、伊28は亡失認定され、除籍されました。

歴代艦長

艤装員長
矢島安雄 少佐：1941年11月20日 - 1942年2月6日
艦長
矢島安雄 少佐：1942年2月6日 - 1942年5月17日 戦死

まとめ

伊号第二十八潜水艦は、その短い艦歴の中で、太平洋戦争初期の激戦に巻き込まれ、悲劇的な最期を迎えました。竣工からわずか3ヶ月余りで沈没するという、非常に短い生涯でした。乗組員全員が戦死するという、痛ましい結末を迎えた潜水艦です。

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