伊十五型潜水艦

伊十五型潜水艦について

伊十五型潜水艦は、大日本帝国海軍が1937年度から1943年度にかけて建造した潜水艦の一種で、巡潜乙型とも称されています。この艦級は、太平洋戦争中に日本が最も多く建造した大型潜水艦であり、20隻が建設されました。しかし、戦争の厳しい状況の中で、最終的にほとんどが沈没し、生き残ったのは伊号第三十六潜水艦のみです。

1. 設計と建造

伊十五型は、巡潜甲型（伊九型潜水艦）の設計を基にしており、海軍の第三次及び第四次海軍補充計画に従って建造されました。排水量は2440トンで、全長は76.4メートルを誇る大型潜水艦として設計されました。この艦級の兵装は、魚雷発射管を艦首に6門備え、魚雷を17本搭載可能でした。さらに、14センチ単装砲や25mm連装機銃も装備されており、航空機の搭載も考慮されていました。

2. 主な戦績

伊十五型潜水艦の中で特に目立つ戦果を上げたのは、伊号第十九潜水艦です。この艦はアメリカの空母ワスプを撃沈する活躍を見せ、また伊号第二十五潜水艦は搭載機を使ってアメリカ本土への空襲を敢行しました。これらの活動は艦隊の名声を高めましたが、全体として見ると、日本の潜水艦隊の商船撃沈数は期待されたほどには達成されず、評価は低いものでした。

3. 改良型とその戦局

伊十五型は後に改良型として伊四十型潜水艦と伊五十四型潜水艦が計画されました。特に1941年のマル急計画において新たな改良型が計画され、主機がデザインの大きなポイントとなった他、戦時急造による簡易化された艦型も開発されました。しかし、戦局が厳しくなる中、予定された数の艦艇は建造が停止されました。

4. 戦後の影響と評価

伊十五型潜水艦は、日本海軍の潜水艦の中でも特に多くの艦艇が建造され、またその戦績も目立つものでしたが、大東亜戦争の激烈な経過により、多くの艦艇が戦没しました。最終的に、この艦級は日本の潜水艦隊の象徴でもあり、戦後の評価は一様ではありませんでした。生き残った艦艇も戦後に解体され、歴史の中に消えていきました。

以上のように、伊十五型潜水艦は日本海軍の一時代を象徴する艦級であり、その歴史と戦績は、現在でも多くの人々に語り継がれています。当時、艦艇が兵力の一環としてどう活用されたか、またどのように設計されたのかを知ることが、今後の歴史研究においても重要な要素となるでしょう。

もう一度検索