伊号第十六潜水艦

伊号第十六潜水艦：太平洋を駆け抜けた潜水艦の生涯

伊号第十六潜水艦（伊16）は、大日本帝国海軍が建造した伊十六型[[潜水艦]]の1番艦であり、その艦歴は太平洋戦争の開戦から終戦近くまで続きました。1937年に建造が開始され、1940年に竣工した伊16は、横須賀鎮守府に配備された後、第六艦隊に編入されました。

真珠湾攻撃と初期の戦歴

太平洋戦争開戦時、伊16は特殊潜航艇「甲標的」を搭載し、真珠湾攻撃に参加しました。1941年12月7日、伊16から発進した甲標的は、アメリカの軽巡洋艦を攻撃するも失敗し、撃沈されました。その後、クェゼリンや横須賀を経由し、戦線を転々としました。

インド洋での作戦

1942年、伊16はインド洋での作戦に参加しました。この作戦では、マダガスカル島のディエゴ・スアレス港を攻撃するため、甲標的を発進させましたが、搭載艇は消息不明となりました。また、この作戦中に伊16は複数の商船を撃沈しました。

ガダルカナル島での活動

ガダルカナル島の戦いでは、伊16は輸送任務に従事しました。甲標的を搭載して出撃しましたが、搭載艇は発進時に舵を破損したり、攻撃に失敗したりしました。また、第三次ソロモン海戦で大破した戦艦比叡の確認と処分を命じられましたが、比叡は既に沈没していました。

輸送任務と最期

1943年以降、伊16は輸送任務に重点を置くようになりました。ドラム缶やその他の物資を輸送し、ソロモン諸島の各地を転々としました。1944年、伊16はゴム袋を輸送中に、アメリカ軍の護衛駆逐艦によって撃沈されました。その際、潜航中に激しい爆発を起こし、乗組員全員が戦死しました。

艦の概要

伊16は、三菱重工業神戸造船所で建造されました。1938年に進水し、呉海軍工廠で艤装作業が行われました。全長は108.7mで、基準排水量は2,584トンでした。魚雷発射管や14cm砲を装備していましたが、後期には14cm砲は取り外され、輸送任務に特化されました。

主要な艦長

伊16の艦長を務めたのは、小林一中佐、山田薫中佐、中村省三少佐、そして最後に竹内義高少佐でした。特に竹内少佐は、伊16と共に戦死しました。

戦績と評価

伊16は、合計4隻の船舶を撃沈し、1隻に損傷を与えました。戦果以上に、太平洋戦争の激戦地で活躍した潜水艦として、その名は歴史に刻まれています。

伊16の生涯は、太平洋戦争における潜水艦の活躍と、その過酷な運命を象徴するものでした。特殊潜航艇の母艦として、また輸送任務を担う潜水艦として、数々の戦地を駆け抜けましたが、その最後はソロモン諸島の海に沈みました。この潜水艦の戦歴は、当時の日本の潜水艦戦術や、太平洋戦争の歴史を理解する上で、重要な要素の一つと言えるでしょう。

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