伊号第四十二潜水艦

伊号第四十二潜水艦について

伊号第四十二潜水艦（以下、伊42）は、大日本帝国海軍が建造した潜水艦です。伊四十型潜水艦の3番艦として建造されましたが、艦艇類別等級別表においては伊十五型[[潜水艦]]の23番艦として扱われています。

艦歴

1941年（昭和16年）のマル急計画に基づき、呉海軍工廠で1942年3月18日に起工されました。同年11月10日に進水し、1943年11月3日に竣工しました。竣工後は横須賀鎮守府に籍を置き、訓練部隊である第一艦隊第11潜水戦隊に編入されました。その後、第11潜水戦隊は第六艦隊に所属が変更されました。

1944年（昭和19年）1月31日、伊42は第15潜水隊に編入され、2月12日には横須賀を出港し、トラック島北東方面へ進出しました。しかし、この方面での戦果はなく、3月3日にサイパンへ帰投した後、トラック島へ移動し7日に到着しました。

3月15日、伊42は輸送任務のためトラック島を出港し、19日にパラオに入港しました。そこで人員や物資を搭載した後、3月23日にラバウルへ向けて出港しました。しかし、出港直後の2129、ラバウルへ向けて浮上航走中、アメリカ海軍の潜水艦タニー（USS Tunny, SS-282）にレーダーで発見されてしまいます。タニーは伊42を追跡し、有利な態勢を築きながら魚雷攻撃の機会を伺っていました。

2324、タニーは1,700メートルの距離から伊42に向けて魚雷を4本発射し、潜航を開始しました。魚雷のうち2本が伊42に命中し、閃光を発しました。その閃光は司令塔の中まで差し込み、乗員の中には「反撃を受けた」と錯覚した者もいたといいます。タニーは潜航して様子を見ていましたが、伊42の推進器の音が止まり、その後1時間にわたって伊42が沈没する音が確認されました。この攻撃により、艦長の小川綱嘉中佐以下、乗員102名全員が戦死しました。

伊42の沈没地点は、アンガウル島南西6海里地点付近、北緯06度40分 東経134度03分とされています。

1944年4月27日、伊42はアドミラルティ諸島方面にて沈没が認定され、4月30日に除籍されました。

年表

1939年: 計画
1943年11月3日: 呉工廠にて竣工、横須賀鎮守府に編入
1944年1月31日: 第6艦隊第15潜水隊に編入
1944年2月12日: 横須賀を出港、東カロリン方面で索敵任務に従事
1944年3月23日: パラオ出港後、米海軍潜水艦タニーの雷撃により沈没
1944年4月30日: 除籍

歴代艦長

艤装員長: 小川綱嘉 中佐（1943年7月27日 - ）
艦長: 小川綱嘉 中佐（1943年11月3日 - 1944年3月23日 戦死）

参考文献

海軍歴史保存会『日本海軍史』第7巻、第一法規出版、1995年。
外山操『艦長たちの軍艦史』光人社、2005年。 ISBN 4-7698-1246-9


伊42は、その短い生涯の中で、戦果を上げることはできませんでしたが、太平洋戦争における潜水艦戦の歴史において、重要な一隻として記憶されています。

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