伊地知彦次郎

伊地知 彦次郎 (いぢち ひこじろう)

伊地知彦次郎は、日本の海軍において重要な役割を果たした軍人であり、最終階級は海軍中将。彼は1860年1月6日、薩摩藩士の家に生まれ、明治時代の海軍の発展に寄与した。

経歴

伊地知は明治7年（1874年）10月、海軍兵学寮に入学しました。彼の海軍でのキャリアは、明治16年（1883年）に海軍少尉に任官されたことから始まります。彼は複数の艦艇で分隊長を務め、日清戦争では「橋立」の分隊長として出征し、その後も様々な役職を歴任しました。特に、日露戦争では連合艦隊の旗艦「三笠」の艦長を務めており、彼の活躍は「三笠艦橋の図」にも描写されています。

伊地知はその後、さまざまな役職で海軍の運営に貢献します。海軍大学校の教官としても指導し、自身の経験を次世代の軍人に伝えました。彼の職歴には、横須賀鎮守府長官や海軍省での要職も含まれており、彼の指導力は多くの海軍関係者に影響を与えました。明治39年（1906年）には海軍少将に昇進し、その後明治43年（1910年）に中将に昇進します。

晩年は馬公要港部司令官を務めたが、1912年にその職にあたる時に死去。その墓所は青山霊園に位置しています。

栄典

伊地知はその功績により、多くの位階や勲章を授与されています。初めは1883年に正八位に任され、以降昇進を続け、1912年には正四位に至ります。勲章においても、明治28年の勲六等瑞宝章や明治38年の旭日中綬章など、様々な栄誉を受けています。また、外国からも勲章を受けており、特にイタリア王国からは王冠第三等勲章や聖マウリッツィオ・ラザロ勲章を受けています。

家族

伊地知の妻であるひろは、伊地知貞馨の娘でした。なお、彼の曾孫にあたる伊地知猛は、現在軍事雑誌を発行しているイカロス出版の創業者であり、その会長を務めています。彼の家系は、海軍の歴史とともに続いており、多くの功績を残しています。

参考文献

• - 秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
• - 外山操編『陸海軍将官人事総覧 海軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
• - 福川秀樹『日本海軍将官辞典』芙蓉書房出版、2000年。

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