伊庭靖子

伊庭靖子は、1967年に京都で生まれた日本の美術家です。彼女は成安造形大学で准教授として教鞭を執る傍ら、精力的に作品制作を続けています。初期の作品では、ケーキなどの身近なモチーフをスーパーリアリズムの手法で非常に緻密に描いていましたが、近年では、器や寝具といった、より日常的なオブジェクトを独自の視点で捉え、作品に昇華させています。

伊庭の美術家としてのキャリアは、1990年に嵯峨美術短期大学版画科専攻科を修了したことから本格的に始まりました。1998年には、若手作家の登竜門として知られるVOCA展（上野の森美術館）に出品し、その才能が広く認められるようになりました。2001年には、文化庁在外研修員としてニューヨークに一年間派遣され、国際的な視点を養う機会を得ています。同時期には、「新世紀をひらく美展」（髙島屋各店）や「前田寛治大賞展」（髙島屋東京店、倉吉博物館・倉吉歴史民俗資料館）など、数々の主要な展覧会に参加しています。

2003年には、INAXギャラリーで個展を開催し、独自の作風を確立しました。2009年には、神奈川県立近代美術館鎌倉別館で「伊庭靖子展 - まばゆさの在処」を開催し、その画業を広く紹介する機会となりました。同年には、「DOMANI・明日展」国立新美術館（東京）にも参加しています。また、イムラアートギャラリー（京都）でも個展を開催するなど、精力的に活動を展開しています。

近年では、2023年に山野アンダーソン陽子の「ガラスの器」を静物画にするプロジェクトにも参加しており、その作品は新たな評価を得ています。伊庭の作品は、日常に潜む美しさや、静物の中に宿る独特の存在感を捉え、観る者に新たな発見と感動を与えています。

伊庭靖子の作品は、写実的な表現でありながら、単なる模写にとどまらず、対象の本質に迫るような深い洞察力に裏打ちされています。彼女の作品には、緻密な描写力と卓越した色彩感覚に加え、対象への深い愛情と、それを見つめる静かな眼差しが感じられます。それらは、鑑賞者の心に深く響き、忘れがたい印象を残します。今後の彼女の活躍に、ますます期待が高まります。

伊庭の作品に関心のある方は、以下の外部リンクから詳細な情報を得ることができます。

• - イムラアートギャラリー)
• - BASE GALLERY)
• - 伊庭靖子ウェブサイト)

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