伊木遠雄

伊木遠雄の生涯

伊木遠雄（いき とおかつ）は、戦国時代から江戸時代初期にかけて活躍した著名な武将です。彼は豊臣家の譜代家臣として仕え、「半七」という通称でも知られています。また、入道して常紀（常糺）と名乗るなど、彼の名前は時代によって変化しました。

出自について

遠雄の出自については諸説あり、詳細は不明ですが、一説によると父は武間和泉守であるとされています。この武間は武馬とも呼ばれ、彼を武馬七郎右衛門常重または武馬七右衛門尚遠と名づけたとも言われています。

明応5年（1561年）、織田信長が伊木山を攻撃した際、香川長兵衛などと共に抜群の活躍を見せた遠雄は、信長から伊木に改姓し兄弟の契りを交わすよう命じられたという伝承があります。これに関する記録は仙台藩や萩藩に残っており、遠雄の父あるいは自身がその人物であるとも考えられています。

軍歴と戦功

豊臣秀吉に仕官した遠雄は、特に天正11年（1583年）の賤ヶ岳の戦いにおいて目覚ましい戦果を上げました。この際、彼は敵将を討ち取るなど、多くの功績を挙げ、後に黄母衣衆の一員として名を馳せます。一般には石川兵助や桜井佐吉とともに「三振太刀」の一人とも言われていますが、実際にはその存在に対しては異論もあります。

文禄元年（1593年）には文禄・慶長の役において、肥前名護屋城にて三ノ丸御番衆の堀田組に属し、軍事行動に従事しました。特に慶長4年（1599年）には、河内国志紀郡林村にて300石の領地が与えられました。

関ヶ原の戦いと大坂の陣

慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦いでは、西軍に加担しましたが、戦闘の結果、浪人としての生活を余儀なくされました。それから数年を経て、慶長19年（1614年）には豊臣秀頼の招きに応じて、大坂城へ入城します。大坂の陣では真田信繁の軍監として活躍し、大坂冬の陣では真田幸昌と共に軍功を挙げることとなります。

大坂夏の陣においては、行動に関していくつかの異なる説が存在しています。道明寺の戦いにおいて討死したとする説、また別の説では行方不明になったことが提唱されています。他の資料によると、落城前日に逃亡していたと言われており、七手組の真野頼包と共に戦ったともされています。

結論

伊木遠雄は、その戦歴を通じて豊臣家の一翼を担った重要な武将の一人です。彼の生涯には多くの戦闘とドラマがあり、その影響は後の時代にまで及びました。わずかな伝承や歴史的事実から彼の姿を覗うことができ、多くの武士たちと同様に、彼自身の伝姫もまた波乱に満ちたものでした。それでも、彼の名は今もなお歴史の中で生き続けています。

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