伊東武夫

伊東武夫

伊東武夫（いとう たけお）は、1889年（明治22年）に福岡県で生まれ、1965年（昭和40年）に没した、日本の陸軍軍人です。最終階級は陸軍中将。

軍歴

1909年（明治42年）に陸軍士官学校に入校し、1911年（明治44年）に卒業（23期）。同年12月に陸軍歩兵少尉に任官され、軍人としてのキャリアをスタートさせました。

1937年（昭和12年）7月には留守第6師団司令部付となり、翌月には歩兵大佐に昇進。1938年（昭和13年）3月には、第8国境守備隊第1地区隊長として海拉爾要塞の守備に従事しました。1940年（昭和15年）3月には独立混成第9旅団付となり、同年8月には歩兵第114連隊長に就任し、日中戦争に出征。援蒋ルート遮断作戦に参加しました。

1941年（昭和16年）8月には陸軍少将に進級し、第38歩兵団長に就任。太平洋戦争開戦に伴い、第16軍隷下として蘭印作戦に参加し、ジャワ島攻略を指揮しました。その後、第17軍戦闘序列に編入されています。

1942年（昭和17年）10月には、ガダルカナル島の戦いに投入され、撤退まで苦戦を強いられました。1944年（昭和19年）7月には独立混成第40旅団長に発令され、ニューアイルランド島の守備を担当。同年10月には陸軍中将に進み、終戦を迎えました。

戦後

終戦後、伊東武夫は戦犯容疑（間諜処刑事件）により拘留されました。ラバウルで開かれたオーストラリア軍の軍事法廷において、1946年（昭和21年）5月24日に銃殺刑の判決を受けましたが、同年10月28日には無罪判決となり釈放されました。1948年（昭和23年）1月31日には、公職追放仮指定を受けています。

まとめ

伊東武夫は、日中戦争から太平洋戦争にかけて、激戦地を転戦した陸軍軍人でした。ガダルカナル島での苦戦や、戦後の戦犯裁判など、激動の時代を生きた人物として、その名は歴史に刻まれています。

参考文献

福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
* 松浦義教『真相を訴える - ラバウル戦犯弁護人の日記』元就出版社、1997年。（改題『ラバウル戦犯弁護人 - 報復裁判に立ち向かった日本人』光人社〈光人社NF文庫〉、2006年。 ISBN 4-7698-2508-0）

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