伊東玉美

伊東玉美

伊東玉美（いとう たまみ、1961年11月 - ）は、日本の国文学者であり、白百合女子大学の教授を務めています。彼女は、中古文学、特に院政期の説話集や小野小町、宇治拾遺物語などの研究に深く携わっています。

略歴

神奈川県出身の伊東玉美は、神奈川県立横浜翠嵐高等学校を卒業後、1984年に東京大学文学部国語国文学科を卒業しました。その後、同大学院人文科学研究科博士課程に進み、1991年に単位取得退学しています。

1994年には、「院政期説話集の研究」で博士（文学）の学位を取得（原玉美）。1997年には、著書『院政期説話集の研究』で日本古典文学会賞を受賞し、その研究が高く評価されました。

共立女子短期大学助教授を経て、2005年からは白百合女子大学文学部国語国文学科教授として教鞭を執っています。

研究内容と業績

伊東玉美の研究は、院政期の説話集を中心に、中古文学の多岐にわたる分野を網羅しています。彼女の著作や校注は、古典文学の研究者だけでなく、一般読者にとっても古典文学への理解を深める上で貴重な資料となっています。

特に、『院政期説話集の研究』は、院政期の説話文学研究における重要な業績として知られています。また、『小野小町』や『宇治拾遺物語のたのしみ方』など、古典文学の入門書としても親しまれる著作も多数あります。

校注書としては、『古事談抄全釈』や『新注 古事談』などがあり、これらの研究を通して、古典文学の新たな解釈や理解を深めることに貢献しています。現代語訳を付した『新版 発心集』や『宇治拾遺物語』は、古典文学をより身近に感じられるように工夫されており、多くの読者に支持されています。

著書

『院政期説話集の研究』（武蔵野書院） 1996
『小野小町』（勉誠出版、日本の作家100人 人と文学） 2007
『宇治拾遺物語のたのしみ方』（新典社選書） 2010
『むかしがたりの楽しみ 宇治拾遺物語を繙く』（NHK出版、文学の世界） 2013

校注

『古事談抄全釈』（源顕兼、浅見和彦共編、笠間書院） 2010
『新注 古事談』（浅見和彦と責任編集、笠間書院） 2010
『新版 発心集』上・下（浅見和彦と共訳注、角川ソフィア文庫） 2014 - 現代語訳付
『宇治拾遺物語』（角川ソフィア文庫、ビギナーズ・クラシックス 日本の古典） 2017
* 『古事談』上・下（ちくま学芸文庫） 2021 - 改訂版・注解

伊東玉美は、その研究活動を通じて、古典文学の奥深さと魅力を広く伝え、次世代の研究者育成にも貢献しています。

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