伊東祐安 (室町時代)

伊東祐安（いとう すけやす）

伊東祐安は、室町時代に活躍した武将であり、日向伊東氏の4代目（伊東氏としては9代目）当主にあたります。祖父の伊東祐持の時代に、足利尊氏の命によって日向国に所領を与えられ、下向しました。

生涯

1378年、父である伊東氏祐の死去に伴い家督を相続した祐安は、都於郡城を拠点として、周辺の国富庄、諸県庄、穆佐院などの掌握に尽力し、日向における伊東氏の地盤を固めました。九州探題であった今川了俊の支援を受け、日向守護職の獲得を目指しましたが、これは実現しませんでした。1395年、今川了俊が上京の命を受け九州を離れると、討伐の危機を脱した日向守護の島津元久が穆佐院に侵攻し、これが伊東氏と島津氏との本格的な抗争の始まりとなりました。

当時、島津元久は、穆佐院に派遣していた弟の久豊と対立していました。祐安は久豊に娘を嫁がせ、彼を支援しました。しかし、元久が急死し、久豊が後継者を名乗って薩摩に出陣（伊集院の乱）すると、その隙をついて穆佐院を奪還し、さらに南下して伊東氏の勢力範囲を拡大しました。

一方、伊豆国における伊東氏宗家の所領は、祖父の祐持の時代に、その弟である佐土原祐藤に預けられていましたが、父の代にはすでに祐藤によって横領されていました。祐安はこれを取り戻すため、1393年に訴訟を起こしましたが、当時の朝廷は南北朝合一を巡る混乱の最中で、判決を得ることができませんでした。その後、伊東庄は数代を経て幕府に召し上げられ、石堂氏に与えられたとされています。これにより、日向に下向した伊東本宗家と伊東庄との関係は完全に断たれることになりました。

1427年、祐安は隠居し、家督を子の祐立に譲りました。1434年、病のため死去しました。

祐安の時代は、日向伊東氏が勢力を拡大し、地域での地位を確立した重要な時期でした。また、島津氏との抗争や伊豆の所領を巡る問題など、多くの出来事が起こった時代でもありました。これらの出来事は、その後の日向伊東氏の歴史に大きな影響を与えることになりました。

もう一度検索