伊東祐淳

伊東祐淳は、1907年（明治40年）に東京府で生まれ、1990年（平成2年）にその生涯を閉じました。彼は、華族である伊東祐弘の長男として誕生し、父の死後、1932年（昭和7年）に子爵の爵位を継承しました。

学歴としては、1936年（昭和11年）に京都帝国大学経済学部を卒業しており、その後、日興木材（宮城県）の相談役として社会に出ています。

政治家としてのキャリアは、1946年（昭和21年）8月22日に貴族院子爵議員補欠選挙で当選したことから始まります。彼は研究会に所属し、貴族院が廃止される1947年（昭和22年）5月2日まで議員を務めました。

伊東祐淳は、古美術に対する深い知識と情熱を持っており、その分野に関する著作を数冊出版しています。具体的には、『古玩随語』（1981年、創樹社美術出版）や、『皿と私』（1970年、光芸出版）などがあります。後者の書籍は、小森松庵、黒田陶々庵との共同監修によるものです。

また、彼は事業家としても手腕を発揮し、渋谷区松濤にあった自宅を高級マンションとして開発し、戦後においても成功を収めました。

彼の親族としては、母に松平康民四女の伊東経子（つねこ）、妻に日本郵船副社長・石井徹二女の伊東英子（ひでこ）、そして長男に伊東祐昭がいます。

これらの情報から、伊東祐淳は、政治家、美術愛好家、事業家という多岐にわたる分野で才能を発揮した人物であったことがわかります。彼の幅広い活動は、昭和という激動の時代を生き抜いた人々の多様な側面を映し出していると言えるでしょう。

参考文献

人事興信所編『人事興信録 第14版 上』人事興信所、1943年。
『貴族院要覧（丙）』昭和21年12月増訂、貴族院事務局、1947年。
衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
霞会館華族家系大成編輯委員会『平成新修旧華族家系大成 上巻』霞会館、1996年。
* 杉謙二編『華族畫報 下』吉川弘文館、2011年（華族画報社大正2年刊の複製）。

もう一度検索