伊沢勉

伊沢勉は、1958年2月14日に愛知県岡崎市に生まれた、日本の多才な表現者です。俳優、演出家、作家、そして声優として、幅広い活動を展開しています。

愛知県立豊橋南高等学校を卒業後、名古屋を拠点に演劇の道を歩み始めました。初期には劇団「彗星86」に参加し、その後、劇団解散を経て「プロジェクト・ナビ」に移籍、2003年の解散まで中心メンバーとして活動しました。この間、名古屋だけでなく、東京や大阪の劇団公演やプロデュース公演にも多数出演し、俳優としてのキャリアを積んでいきました。

また、自身の表現を追求するため、「伊沢勉の会」を主宰。自ら脚本を執筆し、プロデュース、そして出演するというスタイルで定期的に公演を行っており、作家・演出家としての側面も確立しています。

映像作品においても、その存在感を発揮しています。NHKの連続テレビ小説には『君の名は』（1991年版、柴山晴男役）や『さくら』などに出演。特にCBCのドラマ30シリーズには数多く登場しており、『直子センセの診察日記』、『アゲイン〜ラヴ・ソングをもう一度〜』（里中役）、『キッズ・ウォー3 〜ざけんなよ〜』（吉野治先生役）、『幼稚園ゲーム3』（平田役）、『ことぶきウォーズ』、『湯けむりウォーズ〜女将になります〜』、『新キッズ・ウォー パート1』（本屋の店員役）、『ママ!アイラブユー』、『こどもの事情』（オーディションの審査員役）、『熱血ニセ家族』（楠木克夫役）など、長年にわたり親しまれる作品に欠かせない存在として出演しました。他にもNHK教育のドラマ愛の詩シリーズ（『エスパー魔美』、『どっちがどっち!』、『天使みたい』）や、NHK総合、NHK BS2、NHK BSプレミアム、テレビ朝日、名古屋テレビ（メ〜テレ）、TBS、テレビ愛知など、多局のドラマに出演。CBCのドラマ『シュラバッ!』では江戸川勉役での出演に加え、原案も兼務、『花祭』では出演と方言指導を兼務するなど、制作面にも関わっています。近年の作品では、日曜劇場『ルーズヴェルト・ゲーム』第1話（内藤課長役）や、BS時代劇『大岡越前2』第3回（政五郎役）、テレビ愛知『忘れっぽいハムレット』（田辺勉役）などがあります。

ラジオドラマ（オーディオドラマ）の世界でも活発な活動を行っています。特にNHK-FMの番組に多く出演しており、「青春アドベンチャー」では伊坂幸太郎原作の『オーデュボンの祈り』や森見登美彦原作の『有頂天家族』（布袋役）、伊坂幸太郎原作の『終末のフール』、三木卓原作の『ほろびた国の旅』など、人気作家の作品で声の演技を披露。「FMシアター」にも多数出演しており、『五十歳の旅立ち』や劇作家シリーズ『幽霊の自転車』では自ら脚本も手がけています。また、CBCラジオの特別ドラマ『金助からの伝言』では脚色も兼務するなど、こちらも制作に関わる機会があります。

テレビ番組やCMにも出演しており、中京テレビ『どっかうれしい金曜日』、CBC『ミックスパイください』、東海テレビ『ぴーかんテレビ 元気がいいね!』、テレビ愛知『ハヤルンダモン宮殿』、『ワットくん!』、『工場へ行こう』シリーズの再現ドラマなどに出演。CMでは浜乙女やオリオンビール、龍角散など、多くの企業や団体の広告に出演しています。ゲームソフト『わくわく7』では徳川超十郎役の声優を務めるなど、活動の幅はさらに広がっています。

作家としては、自身の舞台公演のために『レイルドリーム』、『ハモニカ』、『ランドセル』、『海がみたい』など多くの戯曲を執筆。テレビドラマやラジオドラマの脚本も手がけています。演出家としても、劇団公演だけでなく、青年会議所や企業の公演などで多数の舞台作品を手がけています。

俳優、声優としての確かな演技力に加え、作家、演出家としての創造力も兼ね備える伊沢勉氏は、名古屋を拠点に日本の表現世界において独自の道を歩み続けています。

もう一度検索