伊能静

伊能 静

台湾を拠点に、香港や中国を含む中華圏で幅広く活躍する女優であり、歌手。本名は呉静怡（出生名）と伊能静江（改名）。1969年3月4日生まれ。身長161cm、体重46kg、血液型AB型、うお座。

生い立ちと背景

出生時の名前は呉静怡。母親が日本人男性と再婚したことを機に、伊能静江と改名した。彼女の母親は台湾で歌手として活動した藍茜である。また、母方の祖父である楊元丁氏は、かつて基隆市の副議長を務めた人物だったが、二・二八事件において中国国民党政権によって命を落とした。

幼少期の一部を香港で過ごし、中学・高校時代には日本で生活した。しかし、高校は途中で退学している。

芸能界でのキャリア

1987年、高校中退後に台湾へ戻り、アイドルグループ「飛鷹三姝」のメンバーとしてデビューを果たした。グループ解散後も、ソロ歌手としての活動と並行して女優としての道を歩み始める。

彼女の女優としての才能が開花したのは、著名な映画監督であるホウ・シャオシェンとの出会いが大きい。1995年のホウ監督作品『好男好女』では、その演技が高く評価され、金馬奨の主演女優賞にノミネートされる快挙を成し遂げた。翌1996年にもホウ監督の『憂鬱な楽園』に主演し、これらの作品を通じてアイドルからのイメージ脱却に成功し、演技派女優としての地位を確立していく。

2000年代に入ると、活躍の場はさらに広がり、テレビドラマへの出演が増加。中国本土の映画やテレビドラマにも積極的に進出し、中華圏全体での人気を不動のものとした。代表的な出演作には、『山田太郎ものがたり〜貧窮貴公子〜』（台湾版ドラマ）や、映画『曹操暗殺 三国志外伝』などがある。

その他の活動と個人的な出来事

2008年には自身の映画制作会社「童夢時代」を設立し、映画プロデューサーとしても手腕を発揮している。

私生活では、2000年に歌手のハーレム・ユー（庾澄慶）と結婚し、一児をもうけたが、2009年3月に離婚を発表した。その後、2015年3月には10歳年下の中国の俳優、秦昊（チン・ハオ）とタイのプーケット島で再婚。翌年には第二子となる子供を授かっている。

また、社会的な発言も度々注目されており、2013年には中国のSNS「微博（ウェイボー）」上で、報道の自由を求める「南方週末社説差し替え事件」を支持する内容の発言を行ったが、後に削除される出来事もあった。

多岐にわたる芸能活動に加え、自身の波乱に富んだ半生もまた、多くの人々の関心を集める伊能静は、中華圏エンターテイメント界において、その存在感を放ち続けている。

もう一度検索