伊藤久松

伊藤久松は、1896年（明治29年）9月28日に生まれ、1983年（昭和58年）1月4日に没した、日本の内務官僚であり、弁護士です。山口県出身で、父は伊藤政吉。彼は第一高等学校を経て、1923年に東京帝国大学法学部法律学科を卒業しました。

卒業後、伊藤は内務省に入省し、官僚としてのキャリアをスタートさせました。最初に熊本県属に任官し、その後、熊本県飽託郡長を歴任しました。さらに、1935年9月には秋田県学務部長、1938年1月には埼玉県学務部長、1939年5月には奈良県総務部長、そして1941年6月には大阪府学務部長と、重要な役職を歴任しました。これらの経験を通して、地方行政の実務に精通していきました。

1942年6月、伊藤は大分県知事に就任しました。当時の日本は第二次世界大戦の渦中にあり、戦時体制下での県政運営は非常に困難を極めました。伊藤は、そのような状況下で、県民の生活を守り、戦時体制への協力を推し進めるという重責を担いました。しかし、1943年7月、知事を退任し、官界からも退きました。その後、彼は公職追放の対象となりました。

戦後、1949年に伊藤は弁護士として新たなキャリアをスタートさせました。官僚としての経験と法律の専門知識を生かし、弁護士として社会に貢献しました。激動の時代を生き抜いた伊藤久松は、日本の行政と法曹界に足跡を残した人物として、その名が記録されています。

参考文献
歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
* 日外アソシエーツ編『ジャパン WHO was WHO 物故者事典 1983-1987』日外アソシエーツ、1988年。

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