伊藤清 (島根県知事)

伊藤清（いとうきよし）は、1903年1月28日に東京府で生まれ、1980年2月16日に亡くなった日本の官僚です。内務省に入省後、地方行政に長く携わり、戦後には島根県知事を務めました。

生い立ちと学歴

伊藤清は、伊藤徳次郎の三男として生まれました。第一高等学校を経て、1925年に東京帝国大学法学部政治学科を卒業しました。同年11月には、高等試験行政科試験に合格し、官僚としてのキャリアをスタートさせます。

内務官僚としてのキャリア

内務省に入省した伊藤は、兵庫県属を皮切りに、和歌山県、大阪府、京都府、東京府といった各府県で課長職を歴任しました。その後、厚生省児童課長、和歌山県総務部長などを経て、兵庫県部長・内政部長に就任するなど、地方行政の中枢で活躍しました。これらの経験を通じて、地方行政の実務に精通し、その手腕を発揮しました。

島根県知事

1945年9月、伊藤は島根県知事に任命されました。当時、日本は終戦直後の混乱期にあり、地方行政も大きな課題を抱えていました。伊藤は、島根県知事として、戦後の復興に尽力しました。その具体的な取り組みは資料に残されていませんが、混乱期における地方行政の長としての重責を果たしたことは確かでしょう。

公職追放とその後

1946年1月、伊藤は東京都次長に転任しましたが、その後、公職追放となりました。公職追放とは、連合国軍最高司令官総司令部（GHQ）による占領政策の一環として、旧体制を担った人物を公職から追放する措置でした。この措置により、伊藤は一時的に公職から離れることとなりました。

公職追放解除後、伊藤は特別調達庁契約局長、参議院事務局内閣委員会調査室長などを歴任しました。晩年は、東京家庭裁判所参与を務め、法曹関係の仕事にも携わりました。これらの役職を通じて、官僚としての経験を活かし、多岐にわたる分野で活躍しました。

まとめ

伊藤清は、内務官僚として地方行政に長く携わり、戦後の混乱期には島根県知事として復興に尽力した人物です。公職追放という時代の波に翻弄されながらも、その後も官僚としての経験を活かして、さまざまな分野で活躍しました。彼の生涯は、激動の時代における官僚の役割と変遷を映し出すものと言えるでしょう。

参考資料

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
『現代物故者事典 1980-1982』日外アソシエーツ、1983年。
「内務省、東京都、庁府県高等官職員録（昭和19年7月26日現在）」 アジア歴史資料センター Ref.A05020335200

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