伊藤為吉

伊藤為吉について

伊藤為吉（いとう ためきち、1864年2月24日 - 1943年5月9日）は、日本の著名な建築家や発明家として多くの業績を残しました。三重県松阪市の出身であり、クリスチャンとしても知られる伊藤は、その生涯において数多くの教会の設計に携わっています。

生い立ちと教育

伊藤は1864年に伊勢国松坂の宮大工の家庭に生まれました。17歳のとき、教育を求めて上京し、尾崎行雄の家に寄宿しながら工部大学校で機械工学を学びました。さらに、幸田露伴や郡司成忠とともに漢学の勉強も行い、学問の幅を広げました。その後、攻玉社にて学僕として生活し、片山潜と出会います。

1885年には片山と共にアメリカに渡り、サンフランシスコにて洗礼を受けました。在米中、彼はクリーニング店などで働きながら、建築設計事務所で製図工として経験を積みました。1888年に帰国後、日本初のドライクリーニング業を始め、洋風建築の施工にも乗り出しました。

建築業界での活躍

伊藤の代表的な建築物には、銀座の初代服部時計店、愛宕ホテル、麻布教会（現・鳥居坂教会）、本郷中央教会などがあります。特に、1893年に郡司成忠が探検に出た際には、短時間で組み立てられるプレハブ式家屋を贈っています。また、耐震や耐風化に関する研究も行い、建築資材の開発に寄与しました。

生涯で70近い特許を取得し、建築だけでなく多岐にわたる発明を行った彼のアイディアは高く評価されており、「和製レオナルド・ダ・ヴィンチ」と称されました。

家族と晩年

1889年には駒込講義所で飯島喜美栄と結婚し、長女嘉子を含む後の子供たちが誕生しました。彼の子供たちも多彩な分野で才能を開花させ、特に次男の道郎は世界的舞踊家として知られています。晩年には無限動力機関の開発に取り組みましたが、1943年に79歳でこの世を去りました。

彼の影響と遺産

伊藤為吉の建築や発明は、後世の建築家たちに多くの影響を与えました。特に、コンクリートブロック式の耐震構造の研究や万年塀の考案は、災害に対する建物の強度向上に寄与しました。また、彼が設計した多くの教会は今でも信者に大切にされています。

まとめ

伊藤為吉は、明治から昭和にかけて建築界で多大な影響を与えた人物です。彼の設計した建築物と数々の発明は、現在も日本の文化に根付いており、その功績は色褪せることがありません。

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