伊豆急行200系電車

伊豆急行200系電車の概要

伊豆急行200系電車は、かつて伊豆急行が所有していた電車で、JR東日本の113系と115系を改造して導入されたものである。この車両は、伊豆急行線で使用されていた従来の100系・1000系が約40年間使用されていたが、経年劣化と塩害が深刻な問題となり、置き換えが求められた。

既存の車両の代替として、東京急行電鉄（現・東急電鉄）の8000系が検討されたものの、当時廃車の予定はなく、もう一つの選択肢としてJR東日本が提示した113系と115系の改造を決定した。113系はもともと伊豆急行線に乗り入れがあり、115系も勾配用の抑速ブレーキを装備しているため、連続勾配が続く伊豆急行線に適していた。これにより、伊豆急行は双方の車両を改造し、東急8000系が譲渡されるまでのつなぎとして導入した。

車両の改造と仕様

伊豆急行に導入する際には、各編成が自力で伊豆高原電車区に入線し、その後改造が行われた。改造では、分割・併合が多いため前頭部に電気連結器が設置されたが、編成間の貫通は考慮されていなかったため、貫通幌は撤去された。全車両は、JR東日本在籍時に更新工事がされており、大きな改造は塗装変更にとどまっている。特筆すべきは、熱海寄り先頭車のトイレが燃焼式の汚物処理装置に改造され、運転台の背後に車椅子スペースが設置されたことだ。

形式分類

伊豆急行200系は、いくつかのタイプに分類されている。

• - タイプI（2000年導入）: 国府津電車区所属の113系1000'番台から改造され、4両編成が2本入線した。塗装は湘南色から白と青に変更され、独特のデザインが施された。

• - タイプII（2001年から2002年導入）: 松本運転所の115系0番台及び800番台から改造され、3両編成が6本導入された。これにより100系は全廃となった。

• - タイプIII（2002年から2003年導入）: 松本電車区の115系300番台から改造されたグループであり、予備車確保や運用を目的として3両編成が3本入線した。

運用状況

伊豆急行200系は、2000年に営業運転を開始し、主に普通列車に使用された。2004年からは8000系の投入が始まり、タイプIとIIは2007年までに全車が廃車となった。なお、タイプIIIは2008年に舞台を去ることになり、7月26日から8月17日まで特別運行の「ビーチトレイン」に使用された。

その後、2008年12月14日には「伊豆急200系さよなら運転」が実施され、往路は伊東駅から伊豆急下田駅、復路は伊豆急下田駅から伊豆高原駅へと運行された。この運転に参加した乗客には、乗車証明書と記念の缶バッジが配布された。

伊豆急行200系電車は、その独特なデザインと性能、歴史を持ち、他の車両とは異なる存在感を放っていた。その運用が終了した現在でも、多くの鉄道ファンから愛され続けている。

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