伊豆神社 (大津市)

伊豆神社（いずじんじゃ）は、滋賀県大津市本堅田に位置する神社です。かつては「堅田大宮」とも呼ばれ、地域の人々から篤く信仰されてきました。現在の社格は村社となっています。

祭神

伊豆神社の主祭神は、大山祗命（おおやまつみのみこと）です。この神は、山の神、農業の神として知られ、広く人々に尊ばれています。

歴史

伊豆神社の創建は、寛平4年（892年）に遡ります。比叡山延暦寺の僧、法性坊尊意僧正が修行のため伊豆国（現在の静岡県伊豆半島）に滞在した際、当地の風景が故郷に似ていると感じたことから、三嶋大社の伊豆大権現（大山祗命）をこの地に勧請したと伝えられています。これが伊豆神社の始まりです。

また、この地が賀茂御祖神社（下鴨神社）の御厨であったことから、玉依姫命（たまよりひめのみこと）も勧請され、神田神社も創建されました。そのため、伊豆神社は当初、伊豆神社と神田神社の両社殿から成り立っていました。神紋の二葉葵は、賀茂御祖神社のそれと同じであり、両社の繋がりを示しています。

二柱の神を祀る堅田大宮は、琵琶湖の湖上特権を持ち、堅田全域の総鎮守として繁栄を極めました。しかし、永禄12年（1569年）には兵火によって焼失するという悲劇に見舞われます。その後、天正年間（1573年 - 1592年）に伊豆神社のみが再建されました。

明治時代に入ると、1876年（明治9年）に村社に列せられ、1921年（大正10年）には神饌幣帛料供進社に指定されています。

神社の北側には、かつて堅田藩の堅田陣屋がありました。

境内

伊豆神社の境内には、以下の建造物や施設があります。

本殿: 一間社流造で、神聖な雰囲気を醸し出しています。
幣殿: 神前で祭典を行うための建物です。
中門: 神域への入り口となる門です。
拝殿: 参拝者がお参りする場所です。
伊豆神社の霊石: ハート形の石で、「幸福を呼ぶ石」として知られています。この石に触れると幸福が訪れると信じられています。
神庫: 神社の宝物を保管する蔵です。
神饌所: 神様に供える食物を調理する場所です。
絵馬殿: 参拝者が願い事を書いた絵馬を奉納する場所です。
社務所: 神社の事務を行う建物です。

摂末社

境内には、以下の摂末社も祀られています。

神明社: 天照大御神を祀る神社です。
樹下神社: 木の神様を祀る神社です。
天満神社: 学問の神様、菅原道真公を祀る神社です。
年丸稲荷社: 稲の神様、宇迦之御魂神を祀る神社です。

境外社

伊豆神社の境外には、以下の社があります。

都久生須麻神社: 別名、住吉社とも呼ばれる神社です。

所在地とアクセス

伊豆神社の所在地は、滋賀県大津市本堅田1丁目19-26です。公共交通機関を利用する場合、JR湖西線堅田駅から徒歩約20分で到着します。

伊豆神社は、歴史と自然に彩られた、静かで落ち着いた雰囲気の神社です。訪れる人々に心の安らぎを与えてくれるでしょう。

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