伊達斉義

伊達斉義の生涯とその影響

伊達斉義（だて なりよし）は江戸時代後期の仙台藩の11代藩主であり、伊達氏の27代当主です。彼は寛政10年（1798年）に江戸で生まれ、母は脇坂安親の娘で、父は仙台藩の5代藩主・伊達吉村の八男、田村村資です。このため、斉義は伊達家の血を引く存在です。

彼の少年期は、父が隠居したこともあり比較的平穏でしたが、文化9年（1812年）に元服し、顕嘉（あきよし）という名を受け、その後、相応の年齢に達しない理由から一関の部屋住みとして生活を送ることとなります。しかし、彼の運命は思わぬ展開を迎えました。

文政2年（1819年）、仙台藩の家督が空位になったことを受け、斉義は仙台城に迎えられます。そして、同年の5月には亡き10代藩主・斉宗の娘と婚約し、婿養子となる形で11代藩主に就任しました。斉義は、当時3歳の芝姫と婚約したことから、彼の権力基盤は強固なものとなっていくのです。

この際、斉義は名前を田村から伊達に改め、自身の通称を石見から藤次郎に変え、新たな生活を始めました。また、同年7月には養父の名前から一字を取って宗義（むねよし）と名乗り、その後、8月には江戸で将軍・徳川家斉に御目見し、最終的に斉義と改名します。官位では従四位下・左近衛権少将、陸奥守に任命されました。

後継者問題の発生

斉義の人生の後半は短命であり、31歳になる前の文政10年に病により死去しました。斉義には当時の次男・穣三郎がいましたが、幼少で御目見も済んでいなかったため、後継者の選定が厄介な課題となりました。

老中の水野忠成は、斉義の正室である芝姫に将軍の子を嫁がせ、後継ぎとして仙台藩を相続させる案を提案しましたが、実際にはこれが実現することはありませんでした。結果的には、一族の伊達宗充の子である幸五郎が斉義の娘婿となり、仙台藩の藩主として承認されました。

この後継者問題は、公式には記録されていない一方で、いくつかの文献にはその経緯が記されています。

系譜と家族

伊達斉義は、斉宗の娘である芝姫と結婚し、彼との間に二男三女をもうけました。長男は夭逝し、次男は後に13代藩主となる伊達慶邦です。また、彼には側室や養子もおり、家族に関する記録も残っています。斉義の死後は、慶邦がその後を継ぎ、伊達家の歴史にその名を刻むことになります。

まとめ

伊達斉義は、主要な時代において藩主としての役割を果たし、その死後も家族間の権力争いが続くなど、仙台藩の歴史において重要な位置を占める存在でした。彼の生涯は短いながらも、次代へと影響を与えるものであり、回顧に値する事績を残しています。

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