脇坂安親

脇坂安親：龍野藩を支えた大名の生涯

脇坂安親（わきさか やすちか）は、江戸時代中期から後期にかけて播磨国龍野藩の第7代藩主を務めた人物です。彼は龍野藩脇坂家の9代目当主であり、その治世は藩政の安定と文化の発展に貢献しました。また、従五位下・淡路守、図書頭という官位も有していました。

生い立ちと家督相続

元文3年（1738年）に、近江国宮川藩の第3代藩主である堀田正陳の四男として生まれた脇坂安親。当初は堀田家の一員でしたが、龍野藩脇坂家の家督を継ぐことになります。その経緯は、龍野藩3代藩主・脇坂安清の弟である安利に遡ります。安利は分家して旗本となっていましたが、その家系に後継者がいなかったため、安親が養子として迎えられ、2000石の家督を相続しました。

脇坂家と堀田家の間には繋がりがあり、安親の曾祖父である堀田正信は、脇坂家へ養子入りした安政の兄にあたります。家督を相続した当初、安親は小普請という役職に就いていました。

宝暦9年（1759年）には、本家の6代藩主であった脇坂安実が若くして亡くなります。安実にも後継者がいなかったため、安親が再び養子として迎えられ、龍野藩の家督を継承することになりました。この際、旗本としての脇坂家は廃家となっています。家督相続後、安親は9代将軍・徳川家重に謁見し、同年12月には従五位下・淡路守に叙任されました。

藩主としての活躍

藩主となった脇坂安親は、幕府からの命令を受け、追手組防火職、桜田防火職、江戸城桜田門番といった要職を歴任しました。また、勅使や朝鮮通信使、大納言などの接待役も務め、幕府の儀式や外交に貢献しました。

天明4年（1784年）には、次男の安董に家督を譲り隠居しましたが、隠居後も図書頭という称号を名乗り、文化的な活動を続けたとされています。

文化7年（1810年）5月14日、脇坂安親は江戸で生涯を閉じました。享年73歳でした。

家族構成

脇坂安親は、堀田正陳を父に持ち、脇坂安種と脇坂安実を養父としています。正室は上田義当の娘であり、長男の安教、次男の安董をはじめ、多くの子女に恵まれました。

父：堀田正陳（1709年 - 1753年）
母：水谷勝比娘
養父：脇坂安種（1712年 - 1749年）、脇坂安実（1745年 - 1759年）
正室：上田義当娘
長男：脇坂安教（1762年 - 1781年）
次男：脇坂安董（1767年 - 1841年）
三男：脇坂安積
五男：脇坂安致
六男：六角広胖（1776年 - ?） - 六角広孝の養子
女子：釧 - 北条氏昉正室
女子：板倉勝長正室
女子：阿琴 - 田村村資正室
* 女子：直 - 竹腰睦群正室、のち京極高有正室

脇坂安親は、激動の時代を生きた大名として、その名と功績を歴史に刻んでいます。

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