伊集院久治

伊集院久治（いじゅういん ひさはる）は、天文3年（1534年）に生まれ、慶長12年10月28日（1607年12月17日）に没した、戦国時代から江戸時代初期にかけての武将です。島津氏の家臣として、その生涯を戦乱の中で過ごしました。

久治の家系は、同じく島津氏の重臣である伊集院忠朗とは別流で、伊集院氏5代当主である忠国から分かれた家系です。彼は日向国福島、薩摩国桜島・市来・出水、大隅国高山といった地域の地頭を歴任し、領地を治めました。

武将としての久治は、数々の戦に従軍しました。天正8年（1580年）には、阿蘇氏の家臣である中村惟冬が守る肥後国矢崎城・綱田城の攻略戦に参加し、その武勇を示しました。また、天正14年（1586年）には、大友氏攻略のために豊後国の諸城を攻め、九州各地を転戦しました。

豊臣秀吉による九州平定後、九州の国分けが行われ、日向櫛間が秋月種実に与えられると、当時同地を支配していた久治はこれに反発し、半年間もの間、櫛間城からの退去を拒否しました。この行動は、彼の強固な意志を示すものとして知られています。

天正19年（1591年）から慶長10年（1605年）まで、久治は島津氏の家老として、義久、義弘、家久の三代に仕えました。しかし、慶長11年（1606年）には、義久との間で天草城を巡る意見の相違が生じ、家老職を辞任しました。

久治は、その生涯を通じて、島津氏のために尽力し、武将としての名声を確立しました。その一方で、領地経営にも手腕を発揮し、地域社会の安定にも貢献しました。彼の行動は、戦国時代から江戸時代初期にかけての武将の典型的な姿を示すものとして、歴史の中で語り継がれています。

久治の系譜は以下の通りです。

父：伊集院久通
母：不詳
* 養子：伊集院久元

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