伊集院俊 (海軍軍人)

伊集院俊（いじゅういん とし/しゅん）

1871年（明治4年）12月26日 - 1925年（大正14年）2月4日、日本の海軍軍人。
最終階級は海軍少将。退役後は鹿児島市長を務めた。

生涯

鹿児島県出身。父は伊集院篤。海軍兵学校（21期）を1894年（明治27年）11月に卒業。少尉候補生として巡洋艦「扶桑」に乗り組み、日清戦争に従軍。

1895年（明治28年）12月、海軍少尉に任官。水雷術練習所で専門知識を習得。

1899年（明治32年）9月、海軍大尉に昇進。「笠置」分隊長に着任。
その後、「大島」航海長、佐世保水雷団水雷艇隊艇長などを歴任。

軍令部出仕、清国南部出張を経て、軍令部第3局局員、大本営海軍参謀を歴任。
南清、満州における偵察活動にも従事。

1904年（明治37年）4月、第3艦隊参謀として日露戦争に出征。
1905年（明治38年）1月、海軍少佐に進級。日本海海戦など、主要な海戦に参加。

1905年12月、イギリス駐在を命じられる。
1908年（明治41年）7月、戦艦「朝日」水雷長に就任。

その後、南清艦隊参謀、第3艦隊参謀、軍令部参謀を経て、1909年（明治42年）10月、海軍中佐に進級。
同年11月、軍令部参謀兼参謀本部員となり、海軍の中枢で活躍。

「朝日」副長、兼海軍砲術学校教官、海軍水雷学校教官などを経て、1914年（大正3年）12月、海軍大佐に昇進。

1915年（大正4年）12月、巡洋艦「宗谷」艦長に就任。その後、巡洋艦「津軽」艦長、在支那公使館付武官（天津在勤）を歴任。

1919年（大正8年）12月、海軍少将に進級し、軍令部参謀を兼務。
1920年（大正9年）10月、佐世保防備隊司令に就任。

1922年（大正11年）8月、軍令部出仕となり、同年12月、待命。1923年（大正12年）3月、予備役に編入。

退役後は、故郷である鹿児島の発展に尽力し、鹿児島市長を務めた。

栄典

1920年（大正9年）1月20日 - 正五位

勲章

1895年（明治28年）11月18日 - 勲六等瑞宝章
1915年（大正4年）11月7日 - 旭日中綬章、大正三四年従軍記章

参考資料

外山操編『陸海軍将官人事総覧 海軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
福川秀樹『日本海軍将官辞典』芙蓉書房出版、2000年。
海軍歴史保存会編『日本海軍史』第9巻、第一法規出版、1995年。

伊集院俊は、日清・日露戦争という激動の時代に海軍士官として活躍し、その後も要職を歴任した。退役後は故郷の発展に尽力し、その生涯は軍人としての功績と、地方行政への貢献という二つの側面を持っている。彼の足跡は、日本の近代史における重要な一頁を飾るものである。

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