伊集院光のばんぐみ

『伊集院光のばんぐみ』番組解説

2007年12月10日から2009年3月まで、日本BS放送（BS11デジタル）で放送されたバラエティ番組『伊集院光のばんぐみ』。タレントの伊集院光が冠番組として初めて週1回のレギュラー放送を担当した作品です。ハイビジョン制作で、伊集院自身によるキャスティングと編集という、高い制作への関与が特徴でした。番組タイトルは、企画会議中に使用されたレポートの冒頭に書かれていた仮タイトルがそのまま採用されたという逸話も残っています。

番組の特徴

『伊集院光のばんぐみ』は、独特の演出と多彩な企画で知られていました。出演者は、伊集院光と親交のある桐畑トール、元サードメンの浜ロン、サードメン高橋といった面々や、ホリプロ所属の若手芸人が中心。毎回、ゲストを招いて様々な企画に挑戦していました。

番組の大きな特徴として、グラフィックを多用した演出が挙げられます。出演者の紹介テロップは少なく、ほとんどが個性的で目を引くグラフィックによるものでした。このグラフィックは、番組本編の場面転換や状況説明にも効果的に使われ、独特の世界観を作り出していました。オープニングとエンディングではアンモナイトのロゴマークが表示され、回によっては企画に関連したデザインに変更されることもありました。SE（効果音）の変化も番組の雰囲気を演出する要素の一つでした。また、出演者はコンビやトリオでの出演は少なく、ピン芸人やコンビ・トリオから1人だけが出演するパターンが多かった点も興味深い特徴です。

オープニング映像も番組の大きな魅力の一つでした。全3バージョンあり、それぞれに特徴的な演出が施されていました。1代目は化石の映像と伊集院光の顔を組み合わせた写真、放送内容、視聴者へのメッセージが表示されるものでしたが、メッセージは高速で表示されたため、確認するにはコマ送りが必要でした。2代目は街を舞台にした映像で、「BS11 Presents」の文字から始まり、「starring 伊集院光」というクレジットとともに、街の風景と伊集院の写真が織り交ぜられた構成となっていました。3代目は番組の常連であるオテンキのり主演の映像と、番組内企画「ばんぐみテーマソングを作ろう」で制作されたオリジナル曲が使用されました。

代表的な企画

番組では、数多くのユニークな企画が放送されました。主な企画をいくつか紹介します。

映画を作ろう: ワンシーン・ワンカットでオリジナル映画「待ちぼうけ」を制作。セリフミスやスタッフの見切れがあると、撮影を最初からやり直すという過酷な企画でした。
歴史を語ろう: 歴史に弱い伊集院光が、織田信長の歴史を暴走族の抗争に例えて解説する企画。歴史作家・河合敦が補助役として出演していました。
みんなでドミノをやろう！: 3500個のドミノで番組タイトルを再現する企画。酔っ払った状態でのドミノ作成という、予想外の展開に。
看板カラオケ歌合戦:商店街の看板の文字を使って、和田アキ子の「古い日記」の歌詞を完成させる企画。制限時間内にどれだけ多くの文字を集められるかを競いました。
おブスプルサーマル計画: ホリプロお笑いジェンヌから「ブス」を選抜し、CGで美人顔を作成する企画。
裸フィッシング: 東京湾で海釣りを行い、釣果に応じて出演者が服を脱いでいく企画。BS11上層部の妻からの苦情により、番組打ち切りが危惧されたというエピソードがあります。
プロジェクトB ブス写真展: 伊集院光が撮影した写真に、芸人たちが5億円という設定で入札する企画。
ケータイクッキング: 携帯電話のアドレス帳から女性を選び、ケーキ作りの手順を聞く企画。伊集院光の妻も登場しました。
オム喜利: ダイエット企画と称し、オムライスにネガティブな言葉をケチャップで書き込む企画。
カーナビまかせの旅: カーナビの指示に従って目的地を目指す企画。途中で代表者が嘘の思い出話を語るという要素がありました。
紙芝居を作ろう: 若手芸人と「三匹の子豚」の紙芝居を制作する企画。ストーリーを覚えていないため、アドリブで制作しました。
暴走タシロボ32ゲーム: 田代32が写メを送信し、そのヒントをもとに地球防衛軍扮する芸人たちがタシロボを捕獲するゲーム。
真剣ジャンケン: 負けた芸人が番組から1ヶ月間出演禁止になるジャンケン企画。
お手がるた: 写真とひらがなを組み合わせてかるたを作る企画。子供向けに教訓を含んだ作品を作る必要がありました。
サイクルリサイクル: 放置自転車を集めて新しい自転車を作る企画。
T喜利: Tシャツに面白い一言を書き込む大喜利企画。
オテンキのネタを作ろう: お笑いコンビ「オテンキ」のために新しいネタを考える企画。
超難解間違い探し: 居酒屋を舞台に、間違い探しを行う企画。実はドッキリ企画でした。
特撮映画を作ろう: 予算がない中でオリジナル特撮映画「イジュラ」を制作する企画。
ばんぐみテーマソングを作ろう: オリジナル歌詞をつけた番組テーマソングを制作する企画。
伊集院光の秘密大公開!クロスワードパズル: 伊集院光の秘密が隠されたクロスワードパズルを解く企画。
伊集院光のしゃしん: 写真をテーマにしたミニコーナー。

放送情報・DVD情報

番組はBS11で放送され、その後CSホームドラマチャンネルでも放送されました。また、『伊集院光のばらえてぃー』としてDVD化もされています。

まとめ

『伊集院光のばんぐみ』は、伊集院光独特のセンスと、若手芸人たちの個性が光る、非常に個性的なバラエティ番組でした。数々のユニークな企画の数々は、多くの視聴者に新鮮な驚きと笑いを提供しました。番組は終了しましたが、その影響は後続番組にも受け継がれています。

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