会津サティ

会津サティの歴史: 大善デパートからニチイ、そして閉店後の再開発まで

会津サティは、かつて福島県会津若松市の駅前に位置し、イオングループの一員であるマイカル（現イオンリテール）が運営していた総合スーパーマーケット（GMS）でした。この記事では、会津サティの前身である「大善（大善デパート）」、「ニチイダイゼン」、「ニチイ会津若松店（ニチイ会津若松ショッピングデパート）」の歴史を紐解き、その盛衰と閉店後の動向について詳しく解説します。

大善の創業と百貨店への発展

その歴史は、1941年（昭和16年）1月2日に畑清三郎氏が創業した「大善呉服店」から始まります。当初は婦人子供服専門の洋裁店としてスタートし、戦後の1947年（昭和22年）には神明通りに小さな店舗を構えました。1949年（昭和24年）の統制解除の際には、東京で官報を待ち構え、統制解除と同時に仕入れを行い、徹夜で販売するという戦略で成功を収めました。

1951年（昭和26年）には「有限会社大善洋装店」として法人化、1953年（昭和28年）には「株式会社大善」に改組しました。1959年（昭和34年）にはヤクルト部を独立させ、「株式会社会津ヤクルト処理工場」（現在の「会津ヤクルト販売」）を設立するなど、事業を多角化しました。同年、丸光や小林百貨店が会津への進出を計画しましたが、地元の反対運動により頓挫。これを受け、大善が百貨店の開設を申請し、専門店会が対抗して「若松デパート（後の中合会津店）」を申請したことから、激しい競争が繰り広げられました。

1961年（昭和36年）10月には、会津若松市初の百貨店「大善（大善デパート）」を開店。1963年（昭和38年）5月27日には、百貨店法に基づく百貨店として認可されました。

過当競争とニチイダイゼンへの移行

1971年（昭和46年）には、向かいに出店した長崎屋会津若松店に対抗するため増改築を行いましたが、過当競争により資金繰りが悪化し、提携していた「東北ニチイ」に支援を求めざるを得なくなりました。その結果、「株式会社大善」は自主廃業し、福島ニチイが運営する「ニチイダイゼン」として再スタートを切りました。同年9月にはレインボープラザが完成し、「オサダビル」と「フジビル」とニチイダイゼンの建物が連結され、回遊性が向上しました。1975年には、運営していた福島ニチイが東北ニチイに合併されました。

ニチイから会津サティへ

1982年（昭和57年）7月1日には、会津若松駅前に東北ニチイ運営の「ニチイ会津若松店」（SC名としては「ニチイ会津若松ショッピングデパート」）として移転開業しました。1993年（平成5年）3月には、駐車場だった4階を増床し、「会津サティ」として業態転換しました。駅前という立地ながら、立体駐車場を完備した大型店として、神明通りの長崎屋会津若松店や会津中合とともに、会津地方を代表する大型店として存在感を示しました。

しかし、2006年（平成18年）3月にアピタ会津若松店（現在のMEGAドン・キホーテUNY会津若松店）などの郊外型大型店が進出したことや、建物自体の老朽化も重なり、2009年（平成21年）6月30日に閉店しました。

閉店後の再開発協議

閉店後、建物は解体され駐車場となりましたが、2009年（平成21年）6月29日には、マイカルや隣接する商店などの地権者で構成する「会津若松駅前地区再開発協議会」が発足し、跡地の利用方法について検討が始まりました。大型店が撤退後に跡地を売却せずに地元側とまちづくりに取り組むという、全国的にも珍しいケースとして注目を集めました。しかし、協議は難航し、2012年（平成24年）2月に結論が出ないまま協議会は解散となりましたが、協議は今後も継続される予定です。このような旧マイカルによる再開発への取り組みは初のケースでした。

会津サティの跡地は、現在も駐車場として利用されていますが、今後の再開発計画に注目が集まっています。地域の活性化に繋がるような有効活用が期待されています。

会津サティは閉店しましたが、その歴史は会津若松の商業史において重要な位置を占めています。大善デパートとしての創業から、ニチイ、そしてサティへの変遷は、時代の変化とともに変わりゆく商業の姿を映し出しています。また、閉店後の再開発協議は、地域社会と企業の連携による新たなまちづくりの可能性を示唆しています。

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