会津鉄道AT-600形気動車

会津鉄道AT-600形・AT-650形気動車について

会津鉄道AT-600形気動車は、2005年に造られた1両からなる気動車であり、同時に製造されたAT-650形トイレ付き気動車についても触れます。これらの車両は、会津鉄道が運営する会津線に適応した設計が施されています。

概要

会津鉄道は、1987年に国鉄会津線を第三セクター化して開業しました。それに伴い、初期のAT-100形やAT-150形、AT-200形の後継としてAT-500形に続いて、2006年に新潟トランシスによって製造されたのがAT-600形とAT-650形です。これらの車両は、エンジン出力が従来の257 kWから309 kWに増強され、最高速度も100 km/hに達しました。また、座席配置もセミクロスシートから全席転換クロスシートに変更され、快適さが向上しています。

車両の基本構造

AT-600形はトイレなし、AT-650形はトイレ付きという特徴があります。AT-652は特別仕様の「宝くじ号」で、座席間にテーブルを設けることで特別イベントにも対応しています。この導入により、旧型車両であるAT-100形とAT-150形は廃車となりました。

車体の設計

新潟トランシスが手がける地方交通線用車両NDCを基本にしたデザインです。車体の寸法はAT-500形と類似し、左隅式の乗務員室に貫通扉があります。ワンマン運転に対応できる設備も整えられており、客用扉は各側に1つずつ設置されています。客受けるための窓は、多くの固定窓が設けられた設計となっています。AT-650形ではトイレ装備のため、窓が一対減少しています。

車内の快適さ

内装には全席転換クロスシートが採用され、合計12列の座席が配置されています。座席間にはダクト付きの冷房装置があり、快適な車内環境が保たれています。トイレはAT-650形にのみ装備され、混雑時にも配慮されています。

エンジンと走行機構

AT-600形とAT-650形にはカミンズ製のディーゼルエンジンが搭載され、出力は309 kWです。動力は液体変速機を介して台車に伝達され、台車の構造はボルスタレスの空気ばね方式を採用しています。また、最新の電気指令式空気ブレーキが導入され、制御システムも多重伝送による省配線化が図られています。

運用と歴史

会津鉄道の普通列車用として、会津線の非電化区間やJR只見線において運用されています。また、特急列車「AIZU尾瀬エクスプレス」でも利用されていましたが、近年の脱線事故の影響から、運用を一時休止せざるを得なくなった事例もあります。これにより、一部の列車が長期間運休を余儀なくされる事態となりました。

参考文献

• - 寺田祐一『私鉄気動車30年』(JTBパブリッシング, 2006), ISBN 4-533-06532-5
• - 鉄道ピクトリアル各号による記事

これらの気動車は、会津鉄道の運行の中で重要な役割を果たし、地域の交通インフラを支えています。

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