伝説のライヴ

レッド・ツェッペリン『伝説のライヴ』： 伝説が蘇る瞬間

『伝説のライヴ』（原題: How the West Was Won）は、レッド・ツェッペリンが2003年に発表したライブ・アルバムです。アルバムタイトルは映画『西部開拓史』に由来します。

長らくリリースされていなかった彼らのライブ・アルバムは、解散から23年の時を経て日の目を見ました。発表されるや否や、ビルボードのアルバム・チャートで初登場1位を獲得。これは彼らのキャリア史上初の快挙であり、過去に7作のアルバムが1位を獲得しているにもかかわらず、初登場1位は本作が初めてでした。

最高の状態を捉えた貴重な記録

ギタリストのジミー・ペイジは本作について、「バンドが最高の状態にあった時期のライヴだ」と語っています。この言葉が示すように、『伝説のライヴ』は、レッド・ツェッペリンの絶頂期を捉えた貴重な記録と言えるでしょう。アルバムは、レッド・ツェッペリン DVD制作時の作業中に発見されたマスター・テープを元に制作されました。

72年ツアーの熱狂を再現

本作には、1972年に行われたツアー後半のロサンゼルス・フォーラムとロングビーチ・アリーナでの公演が収録されています。ただし、大幅な編集が加えられている点には注意が必要です。

例えば、ディスク1の冒頭を飾る「LA Drone」は、1972年ツアー後半にのみ演奏された貴重なイントロですが、実際には1分以上演奏されたものが、本作では14秒程度に短縮されています。また、「Whole Lotta Love Medley」では、「Heartbreak Hotel」や「Slow Down」なども演奏されましたが、版権の都合からかカットされています。

「Stairway to Heaven」の冒頭のリコーダーパートは、実際にはハモンドオルガンで演奏されましたが、作品化にあたってメロトロンの演奏に差し替えられました。メロトロンがステージに置かれるようになったのは、その後の日本ツアーからであり、メロトロン導入後のライブ音源から抜き出してミックスされたという説が有力です。アコースティック・セットでは、「Tangerine」が未収録となっています。ディスク3の「The Ocean」の後、ロサンゼルス公演では「Louie Louie」「Thank You」「Communication Breakdown」も演奏されましたが、本作には収録されませんでした。

リマスターと再発

その後、5.1chサラウンド・ミックス収録の2枚組DVDオーディオ版が発売されました。2018年にはリマスター再発され、初のアナログ盤化も実現。「Whole Lotta Love(Medley)」はさらに編集され、2分ほど短縮されています。

高い評価

『伝説のライヴ』は、ローリング・ストーン誌が選んだ「オールタイム・ライヴ・アルバム50」において、23位にランクインするなど、高い評価を得ています。

収録曲

収録内容は以下の通りです。

Disc 1

1. L.A.ドローン - LA Drone
2. 移民の歌 - Immigrant Song
3. ハートブレイカー - Heartbreaker
4. ブラック・ドッグ - Black Dog
5. 丘のむこうに - Over the Hills and Far Away
6. 貴方を愛しつづけて - Since I've Been Loving You
7. 天国への階段 - Stairway to Heaven
8. カリフォルニア - Going to California
9. ザッツ・ザ・ウェイ - That's the Way
10. スノウドニアの小屋 - Bron-Yr-Aur Stomp

Disc 2

1. 幻惑されて - Dazed and Confused (Medley: Walter's Walk, The Crunge)
2. 強き二人の愛 - What is and What Should Never Be
3. ダンシング・デイズ - Dancing Days
4. モビー・ディック - Moby Dick

Disc 3

1. 胸いっぱいの愛を - Whole Lotta Love (Medley: Boogie Chillun, Let's Have a Party, Hello Marylou, Going Down Slow)
2. ロックン・ロール - Rock and Roll
3. オーシャン - The Ocean
4. ブリング・イット・オン・ホーム - Bring It on Home (Medley: Bring It on Back)

レッド・ツェッペリンのファンはもちろん、ロック音楽ファンにとっても必聴のアルバムと言えるでしょう。

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