伴信也

伴 信也

伴 信也（ばん のぶや）は、1893年（明治26年）12月10日に生まれ、1968年（昭和43年）10月21日にその生涯を終えた、大日本帝国陸軍に所属した軍人です。最終的な階級は陸軍少将でした。

島根県に生まれた伴信也は、若くして軍人の道を志し、陸軍士官学校に進みました。同校の第28期生として学び、卒業後もさらに軍事研究を深めるため、陸軍大学校の専科に入学し、第3期生としてこれを修了しています。これは当時の日本陸軍において、将来を嘱望される幹部候補生が歩むエリートコースでした。

彼の軍歴は、昭和の戦局が厳しさを増す中で重要な役職を歴任する形で展開しました。1940年（昭和15年）8月1日付で陸軍歩兵大佐への進級を果たしたのと同時に、当時の主要な戦略地域の一つであった関東軍隷下の琿春（こんしゅん）駐屯隊参謀に就任しました。満洲国東部の国境地帯に位置する琿春は、戦略的に重要な拠点であり、そこで参謀という重責を担ったことは、彼が軍中央から一定の評価を受けていたことを示唆しています。

その後、1942年（昭和17年）4月には陸軍予科士官学校附に異動となりました。次世代の士官を育成する教育機関での勤務は、彼のキャリアにおける新たな側面を示しています。

1943年（昭和18年）8月からは、再び実務の中枢である師団司令部での勤務に戻りました。この時期には、本土防衛や占領地における治安維持などを任務とする東部軍（後に東部軍管区）隷下の部隊で要職を務めています。具体的には、留守第51師団の参謀長、続いて第81師団の参謀長を歴任しました。師団参謀長は、師団長の作戦計画策定や部隊運用を補佐する重要なポストであり、多様な師団でこの役割を担ったことは、彼の参謀としての能力が高く評価されていたことを物語っています。

1944年（昭和19年）7月には、再び留守第51師団の参謀長に任じられています。同一の師団の参謀長を二度務めることは珍しく、当時の戦局の変化や部隊再編など、様々な要因が背景にあったと考えられます。東部軍管区内の部隊を転々としながらも、一貫して参謀という立場で軍務に精励しました。

終戦間際の1945年（昭和20年）4月1日には、東部軍管区隷下の宇都宮師管区参謀長に就任しました。師管区は、徴兵や部隊の補充、地域防衛などを担う役割があり、戦局が緊迫する中でその重要性は増していました。そして、この任期中の1945年6月10日、彼は陸軍少将へと昇進を果たし、将官の地位に達しました。

第二次世界大戦の終結後、日本は連合国軍総司令部（GHQ）の占領下に置かれ、旧軍関係者や特定の経歴を持つ人物に対して公職追放の措置が取られました。伴信也もまたその対象となり、1947年（昭和22年）11月28日に公職追放仮指定を受けています。これにより、彼は一時的に公的な活動の機会を制限されることとなりました。

その後、1968年（昭和43年）10月21日に74歳で死去するまで、軍人としての激動の時代を生き抜いた人物としてその名を残しています。

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