住吉造

住吉造について

住吉造（すみよしづくり）は、日本の神社建築様式の一つであり、特に住吉大社でその姿を見ることができます。この建築スタイルは、神社建築の中で非常に古い部類に属し、神明造や大社造と並んで伝統的な手法とされています。その特徴は、シンプルで直線的なデザインに集約されます。

特徴

住吉造の明確な特徴の一つは、屋根の形状です。この建物は、古式の直線的な破風を持ち、これが大嘗祭の建物と似た形状をしています。屋根には茅葺、杮葺、檜皮葺など、さまざまな材料が使用されることがありますが、住吉大社の破風は特に直線的であり、妻飾りは交叉合掌型として知られています。

建物の内部構造は、内陣と外陣に分けられており、通常の神社に見られる心御柱は存在しません。構造自体は、間口2間、奥行4間の長方形をしており、そのシンプルな形状が住吉造の魅力の一つとされています。さらに、切妻造および妻入のスタイルを持ち、全体的に反りのない直線的な外観が印象的です。

建築要素

住吉造の建物には、いくつかの重要な要素があります。まず、柱は特異な形状で、中央に位置する心御柱や正面の中央柱がない点が特筆されます。この構造により、内部がスッキリとした印象を持つことが可能です。また、正面には観音開きの扉が設けられ、これによって出入りが行われますが、これは神社の神聖性を保つための工夫と言えるでしょう。

床面は神明造や大社造と比べて低めであり、建物全体のバランスを取っています。外部には、山形に整えられた板塀が巡らされており、この形式は古墳祭祀における塀形埴輪との関連が指摘されています。

建築例

住吉造の代表的な例として、住吉大社（大阪府大阪市）が挙げられます。ここには、文化7年（1810年）に造営された国宝の本殿4棟があり、観光客に人気のスポットです。また、境内には宝永5年（1708年）に造営された大海神社本殿もあり、こちらは国の重要文化財として評価されています。

他にも、住吉神社本殿（福岡県福岡市）は元和9年（1623年）の造営で、やはり国の重要文化財に指定されています。京都府の住吉大伴神社や、大阪府の住吉平田神社などもこのスタイルを引き継いでいます。

住吉造は、日本の神社建築の中でもその独自性と古典的な美しさを持ち続けており、訪れる人々に深い感動を与えています。

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