住木諭介

住木 諭介（すみき ゆすけ）

住木諭介は、1901年2月10日、新潟県新潟市にて生まれ、1974年9月11日に逝去した日本の農芸化学者です。彼は農学博士の称号を持ち、東京大学農学部で学部長を務め、さらに理化学研究所の副理事長も歴任しました。東京大学から名誉教授としての称号を受け、日本農芸化学会の名誉会員としても知られています。

学歴とキャリアの始まり

住木は、1919年に新潟中学校を卒業し、続いて新潟高等学校を経て、1925年には東京帝国大学農学部農芸化学科を卒業しました。その後、1929年に同大学の大学院を修了し、東京帝国大学で副手としてキャリアをスタートさせました。彼は農芸化学科の助手、助教授へと昇進していきます。

ジベレリンの発見

1938年には、藪田貞治郎と共に稲の馬鹿苗病菌から植物ホルモン「ジベレリン」を結晶化することに成功し、研究成果は農業に革命をもたらしました。さらに1944年、彼は抗生物質ペニシリンの研究を命じられ、戦時中の研究に貢献しました。

教授職と新薬の開発

1946年に東京帝国大学農学部で教授に就任した後、1949年には農産製造学講座の教授に転任しました。1957年には東京大学農学部の学部長となり、大学の発展に寄与しました。1958年に彼は世界初の農薬用抗生物質「ブラストサイジンS」を発見し、いもち病の防除に成功しました。これにより、日本の農薬研究は新たな段階に突入しました。

理化学研究所での業績

1961年に東京大学を退官後、住木は理化学研究所の副理事長に就任しました。彼は1962年から1970年にかけて、新農薬の開発を推進し、この期間中に9つの研究室が設立されるなど、大きな影響を与えました。彼の実績は、抗生物質を農薬として初めて実用化したことにあります。

学界への貢献

住木は日本学術会議の会員や日本農芸化学会会長を務め、その活動を通じて農芸化学の発展に貢献しました。彼はまた、数多くの学術論文や著書を執筆し、特に「抗生物質」に関する研究は、多くの研究者に影響を与え続けています。

家族と私生活

弟の小山征助は泌尿器科学者として名を馳せ、新潟大学の教授を務めていました。義兄の住木直二は海軍の技術中将として活躍していた人物です。

晩年と評価

住木は1974年に胃癌のため亡くなりましたが、その業績は今もなお多くの人々に称えられています。彼の研究が日本の農業に与えた影響は計り知れず、後世の研究や実務においても重要な礎とされています。住木諭介は、日本の抗生物質研究の先駆者であり、農業科学の発展に寄与した偉大な学者であり続けます。

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