住血吸虫科

住血吸虫科について

住血吸虫科（じゅうけつきゅうちゅうか、学名: Schistosomatidae）は、扁形動物門吸虫綱有壁吸虫目に属する寄生虫の一群です。この科の特徴は、主に鳥類や哺乳類の血管内で寄生生活を送ることにあります。住血吸虫は雌雄異体で、オスとメスの個体が機能的に異なり、つがいを形成することで繁殖を行います。

分類

住血吸虫科は多くの亜科に分かれ、それぞれが特定の宿主に寄生します。これらの亜科と属は、以下のように分類されています。

• - Bilharziellinae亜科

- Bilharziella属: 主に鳥類に寄生します。

• - Denrobilharziinae亜科

- Dendritobilharzia属: カモやハクチョウなどの鳥類に寄生します。

• - Gigantobilharziinae亜科

- Gigantobilharzia属: 鳥類に寄生します。

• - Schistosomatinae亜科

- Allobilharzia属: 鳥類に寄生します。
- Austrobilharzia属: 鳥類に寄生します。
- Bivitellobilharzia属: ゾウなどの哺乳類に寄生します。
- Heterobilharzia属: アライグマなどの哺乳類に寄生します。
- Microbilharzia属: 鳥類に寄生します。
- Ornithobilharzia属: ウシやネコなどの哺乳類に寄生します。
- Schistomatium属: 哺乳類に寄生します。
- Trichobilharzia属: 鳥類に寄生します。

• - 住血吸虫属 (Schistosoma) : この属は特に注目されるもので、ヒトを含むさまざまな哺乳類に寄生する種を含みます。以下に主な種を挙げます。

- 日本住血吸虫 (S. japonicum)
- マンソン住血吸虫 (S. mansoni)
- ビルハルツ住血吸虫 (S. haematobium)
- メコン住血吸虫 (S. mekongi)
- インターカラーツム住血吸虫 (S. intercalatum)
- さらに多くの種が存在し、それぞれ異なる宿主と関連しています。

住血吸虫の感染は、通常、泥水などを経由して人間や動物の体内に入り込み、血管内で成長します。特に、水が豊富な地域で住血吸虫症の発生が多く見られます。これにより引き起こされる病気は、様々な副作用を持ち、時には致命的になることもあります。

住血吸虫はその生態系において重要な役割を果たしており、特に生物間の相互作用や生態系のバランスに影響を及ぼしています。これらの寄生虫に関する研究は、環境保護や人間の健康維持においても重要な意味を持っています。

関連項目

住血吸虫科は「住血吸虫症」とも密接に結びついており、特に地方病として知られる日本住血吸虫症などが重要な健康問題とされてきました。これらの疾患に対する理解を深めることは、予防や治療の進展に寄与します。

参考文献

住血吸虫に関する各種情報は、「コトバンク」で確認することができます。

もう一度検索