佐々木忠義

佐々木忠義

佐々木忠義（ささき ただよし、1910年5月1日 - 1983年10月11日）は、日本の著名な海洋物理学者であり、東京水産大学（現東京海洋大学）の学長を務めた人物です。理化学研究所の名誉研究員としてもその名を知られ、日本の海洋物理学研究の発展に大きく貢献しました。その業績は学術界のみならず、国際的な学術交流にも及び、多方面に影響を与えました。

生涯

1910年、佐々木忠義は広島県に生まれました。1935年に東京物理学校（現在の東京理科大学）を卒業後、学問への情熱を胸に、1941年には北海道帝国大学（現在の北海道大学）理学部物理学科を卒業しました。

卒業後、佐々木は研究者、教育者としての道を歩み始めます。京城帝国大学（現在の大韓民国ソウル大学校）予科講師、教授を経て、1944年からは理化学研究所で研究員として活動しました。戦後の1949年には、理学博士号を取得し、研究者としての基盤を確立しました。

1953年、佐々木は東京水産大学（現東京海洋大学）教授に就任し、後進の育成に力を注ぎました。同時に、理化学研究所の主任研究員としても研究活動を継続しました。1956年には、文部省在外研究員としてフランスのパリ大学海洋研究所に派遣され、海外の研究動向を学びました。

佐々木は研究活動の一環として、1960年に日仏海洋学会を創立し、初代会長に就任しました。1962年には日本海洋学会沿岸海洋研究部会事業部長に就任し、日本の海洋学研究を牽引しました。1968年には海洋科学技術審議会委員に任命され、政策面からも海洋科学技術の発展に貢献しました。1971年に理化学研究所を退職し、名誉研究員となりました。

1973年、佐々木は東京水産大学の学長に就任し、大学運営に携わりました。1975年には海洋開発審議会委員に任命され、海洋開発に関する政策立案にも関与しました。1979年に東京水産大学を退官し、名誉教授となりました。退官後も、日中海洋・水産科学技術交流協会を創立し、会長として日中間の学術交流に尽力しました。

1983年10月11日、佐々木忠義は食道腫瘍のため、癌研究会付属病院で生涯を閉じました。73歳でした。

受賞・栄典

佐々木忠義の業績は高く評価され、数々の栄誉に輝いています。

1971年：レジオン・ドヌール勲章シュヴァリエ受章
1981年：勲二等旭日重光章受章
* 1983年：死後正三位を贈られる

佐々木忠義は、日本の海洋物理学の発展に大きく貢献しただけでなく、国際的な学術交流にも尽力した、傑出した科学者でした。彼の功績は、後世に語り継がれることでしょう。

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