佐々木昭彦

佐々木昭彦：闘将と呼ばれた競輪選手

佐々木昭彦は、1960年1月7日に佐賀県武雄市で生まれました。競輪選手であった両親と、兄と弟も競輪選手という、まさに競輪一家で育ちました。佐賀武雄高校時代からその才能を発揮し、インターハイや国体で活躍。1978年には日本競輪学校に入学し、43期生として競輪の世界へ足を踏み入れました。

ハイレベルな同期との切磋琢磨

競輪学校時代の同期には、在校1位の北村徹、後に親友となる滝澤正光、高校時代の同級生である小川博美、社会人野球出身の富原忠夫など、ハイレベルな選手たちが揃っていました。43期は「例年になくハイレベル」と評判で、彼らは競輪選手になってからもその期待に応える活躍を見せました。

「第三の男」から頂点へ

佐々木は1983年の岸和田記念制覇を機に、特別競輪（現在のGI）での活躍も期待されるようになりました。1984年には、同期の滝澤正光が日本選手権[[競輪]]でGI初制覇。しかし、当時の佐々木は、中野浩一、井上茂徳という九州の二大看板の引き立て役と見られていました。

同年の高松宮杯決勝で、佐々木は中野、井上を従え、九州軍団の先陣を務めることになりました。レース終盤、佐々木は片岡克巳との併走から抜け出し、直線で片岡を交わして優勝。この勝利は、佐々木が「第三の男」から頂点へ駆け上がった瞬間でした。佐々木は優勝インタビューで恐縮していましたが、43期生としては滝澤に次ぐ2人目のGIタイトルホルダーとなりました。

初代全日本選抜優勝者

1985年、第1回全日本選抜競輪が前橋[[競輪場]]で開催されました。このレースでは、中野浩一が優勝候補の筆頭でしたが、佐々木は中野マークの作戦に出ます。レースは中野が捲る展開となりましたが、佐々木は最後の直線で中野を差し切り、初代全日本選抜優勝者となりました。この勝利は、佐々木の競輪選手としての実力を強く印象づけるものでした。

引退とその後

その後、佐々木は1991年の高松宮杯でも優勝し、通算3つのGIタイトルを獲得しました。一時期糖尿病を患い成績を落とすこともありましたが、S級選手として活躍を続け、長年、地元佐賀支部長として選手会の事務も兼務しました。2011年に選手会支部長を退任し、日本自転車競技連盟の理事に就任。同年6月、地元武雄競輪場で開催されたレースを最後に引退しました。引退後は、競技連盟の理事として選手の育成に携わる一方、専門解説者やゲストとして実況中継にも出演しています。

主な獲得タイトルと記録

1984年 - 高松宮杯競輪（大津びわこ[[競輪場]]）
1985年 - 全日本選抜競輪（前橋[[競輪場]]）
1991年 - 高松宮杯競輪（大津びわこ[[競輪場]]）
通算成績：2828戦535勝
* 通算獲得賞金：13億2909万0766円

競走スタイルと人物像

佐々木は、追込主体の戦法を得意とし、162cmという小柄な体格ながらも、鋭い縦足と横足を駆使してレースを展開しました。その気迫あふれるレースぶりから「闘将」と呼ばれ、九州勢の中核として活躍しました。中野浩一が「天才」、井上茂徳が「鬼脚」と呼ばれる中、佐々木は『第三の男』とも称されました。引退後も、その功績を称え、武雄競輪場では「闘将 佐々木昭彦杯」が開催されています。

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