佐々木玄龍

佐々木玄龍

佐々木玄龍（ささき・げんりゅう、慶安3年8月27日（1650年9月22日） - 享保8年2月22日（1723年3月28日））は、江戸時代初期に名を馳せた書家です。玄龍は名、煥甫は字、萬治郎は通称、そして池庵という号を用いていました。書家であった弟の文山もまた、その名を知られています。

生涯

玄龍は[江戸]]で生まれ、幼少の頃より書の道に励みました。特に「象體の字」を得意とし、その独特な書風で知られました。天和2年（1682年）には、来日した朝鮮通信使の一行と詩文を交わし、文化交流に貢献しました。正徳元年（1711年）7月からは幕府に仕え、公的な書務にも携わりました。この時と享保4年（1719年）9月には、再び朝鮮通信使の接待役を務めています。享保6年（1721年）6月25日に幕府を辞し、その後、享保8年（1723年）に病のため74歳で生涯を閉じました。彼の遺体は武州三縁山（現在の増上寺）の浄運院に葬られ、現在の墓所は[[青山霊園]にあります。法号は「領春院興誉琉霊玄龍居士」です。

書法

書家の細井九皋は、著書『墨道私言』の中で、玄龍とその弟である文山の書風について、朝鮮の書法の影響を受けていると述べています。一方、玄龍自身は、孟魯軒という清国人の書を所蔵し、それを範として学んだと伝えられています。細井広沢は、孟魯軒を朝鮮の人であると推測し、玄龍の書は趙孟頫を尊重する朝鮮人の書風に似ていると評価しました。『東川筆記』という文献には、玄龍が長崎の訳司である林道栄の門人であったという記述が見られます。

玄龍は、宝井其角や後藤仲龍といった門人を育て、後世にその書風を伝えました。

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