佐伯悠

佐伯 悠

佐伯 悠（さえき ゆう）は、日本の元ラグビー選手であり、現在はジャパンラグビーリーグワンに所属する釜石シーウェイブスRFCでボランティアスタッフを務めている人物である。

1985年3月30日に神奈川県で生まれた佐伯氏は、現役時代は主にフランカー（FL）としてグラウンドを駆け巡り、その身長183cm、体重93kgという体格を活かしたフィジカルコンタクトや運動量でチームに貢献した。

来歴

学生時代

高校は東京農業大学第一高等学校でラグビーに打ち込んだ後、ラグビー強豪校として全国に知られる関東学院大学に進学した。大学時代は、チームが大学選手権で二度にわたる優勝を果たす輝かしい時期に中心メンバーとして活躍し、その後のキャリアの礎を築いた。この時期には、後に日本代表として活躍する五郎丸亮氏をはじめ、櫻谷勉氏、高山国哲氏、竹山浩史氏、藤井亮太氏、山下祐史氏といった、後に各方面で活躍する多くの選手たちと同級生として共に汗を流し、切磋琢磨した。

釜石シーウェイブスでのキャリア

大学卒業後の2007年、佐伯氏は岩手県を本拠地とする釜石シーウェイブスに加入した。チームは当時、トップリーグの下部リーグであるトップイーストリーグに所属しており、佐伯氏はプロ選手としての第一歩を踏み出した。加入後間もない2007年10月14日に行われたトップイーストリーグ11の第5節、NTTコミュニケーションズシャイニングアークス戦で途中出場し、公式戦デビューを飾った。

チームリーダーとしての活躍

釜石シーウェイブスでのキャリアを通じて、佐伯氏は選手としてだけでなく、チームを牽引するリーダーとしても重要な役割を果たした。2011年から2013年までの3シーズンにわたり、チームのキャプテンとして選手たちをまとめ上げ、精神的支柱となった。さらに、2014年には選手会長に就任し、チーム運営にも深く関与した。この選手会長としての時期には、チームがトップチャレンジへの出場権を獲得し、さらにトップリーグへの昇格をかけた入替戦にも駒を進めるなど、チームの成績向上に大きく貢献した。

コーチ兼任と現役引退

選手としてのキャリア終盤には、チームの未来を見据え、指導者としての役割も担うようになった。2015年にはコーチ兼任選手という立場となり、自身の豊富な経験と知識を後輩に伝えるとともに、グラウンド内外でチームを支えた。そして、長年にわたり献身的にプレーを続け、多くの功績を残した後、2019年に惜しまれつつ現役を引退した。

現役引退後

現役引退後も、佐伯氏は愛着ある釜石シーウェイブスとの関わりを続けている。現在は、クラブのボランティアスタッフとして、チームの運営や地域貢献活動などを側面からサポートしており、その経験と情熱をラグビー界、そして岩手の地域社会に還元している。選手として、そしてリーダーとしてチームを支え続けた佐伯氏の存在は、釜石シーウェイブスにとって今なお大きな財産となっている。

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