佐敷太郎峠

佐敷太郎峠とは

佐敷太郎峠（さしきたろうとうげ）は、熊本県葦北郡芦北町の海浦と花岡を結ぶ峠で、標高は324メートルです。この峠は津奈木太郎峠や赤松太郎峠とともに「三太郎峠」と呼ばれています。1965年に国道3号が開通したことにより、旧道は町道に変更されました。

地理的特徴

佐敷太郎峠は中央構造線の南端に位置し、地質が多様です。この峠は主に砂岩と石灰岩から成り立っており、急峻な地形が特徴的です。歴史的に見ても、薩摩街道の時代には難所として知られ、地元の住民は海路を利用することが多かったと言われています。

明治時代には、国道整備の一環としてレンガ造りの佐敷隧道が完成し、1960年代の国道改築まで利用されました。新たな三太郎国道の整備の際には、出水や軟弱な土質による工事の難航がありましたが、1965年には佐敷トンネルが完成しました。トンネルの長さは1,570メートルに達します。

歴史の沿革

• - 1903年（明治36年） - 旧佐敷隧道が完成
• - 1965年（昭和40年） - 新しい佐敷トンネルが開通
• - 2009年（平成21年） - 南九州西回り自動車道の田浦ICから芦北IC間が開通し、新しい佐敷トンネルが使用開始

交通アクセス

佐敷太郎峠は国道3号線沿いに位置し、海浦駅近くから佐敷側の山裾までをショートカットする形で佐敷トンネルが通っています。さらに、国道3号の旧道は山頂部を旧佐敷隧道を通じて越えています。肥薩おれんじ鉄道線もこのエリアを通り、海浦駅から佐敷駅までの区間にトンネルがあります。E3A南九州西回り自動車道も、田浦ICから芦北IC間を新佐敷トンネルで通過します。

旧佐敷隧道の特徴

旧佐敷隧道は1901年に工事が始まり、1903年5月末に完成しました。総延長は433.5メートル、幅員は5.5メートル、高さは4.4メートルです。この隧道は国外からの技師の手によって設計され、煉瓦は徳島県から来た瓦職人によって製造されました。また、隧道坑口は垂直に設計されている点が特徴です。2002年には国の有形文化財に登録され、歴史的価値が評価されています。

まとめ

佐敷太郎峠は、その急峻な地形と重要な交通路としての歴史から、多くの人々に親しまれています。また、様々な工事や改築を経て、交通便宜が図られてきたことがわかります。このような歴史的背景を持つ峠は、地域の文化や交通の要所として、今後も重要な役割を果たしていくことでしょう。

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