佐是

千葉県市原市佐是について

佐是（さぜ）は、千葉県市原市南総地区に位置する大字です。郵便番号は290-0223。

地理

市原市南部に位置し、養老川中流の左岸（西岸）に広がっています。地域内には水田が広がり、のどかな田園風景が特徴です。北には上原、妙香（一部）と隣接し、養老川を挟んで東には妙香、東南には奉免・牛久と接しています。南は皆吉、南西は西国吉、北西は馬立と隣り合っています。

歴史

前近代

佐是は古い歴史を持つ土地であり、佐是古墳群がその証です。『和名抄』には、上総[[国]]海上郡に属する「佐是郷」としてその名が記されています。この地名は写本によって「佐三」や「佐弖」とも表記されることがあります。

『地理志料』によれば、出雲国佐世郷から移住した出雲宿禰の一族が、この地に「佐是」という地名をもたらしたと伝えられています。また、『上総[[国]]町村誌』には、中世には沼田庄友田村と呼ばれていたとの記述があります。

源頼朝が安房国から北上した際、当地の友田氏の館で休息し、手綱を清めたという伝説が残っており、その館は「手綱館」と呼ばれました。この出来事から、佐是と牛久の間を流れる養老川は「手綱川」と呼ばれるようになり、現在も手綱橋にその名が残っています。

中世の佐是郡

律令制度が衰退すると、海上郡は海北郡（海保郡）や佐是郡といった中世的な郡へと細分化されました。「佐瀬郷」または「佐是郡」という広域地名は、現在の皆吉、矢田、池和田なども含む地域を指していたと考えられています。

佐是の南部には、佐是城（嶽城とも呼ばれる）という城跡があります。鎌倉時代に佐是禅師円阿がこの地に館を構えたのが始まりとされ、戦国時代には武田信長の三男である武田国信（佐瀬三郎）によって築城されたとも伝えられています。しかし、武田国信は後に里見氏によって滅ぼされました。

近世

江戸時代には、「佐瀬村」という表記が用いられるようになり（「佐是村」も用いられました）、この地域は村として存在していました。明治初年には、牛久との間に渡船場が存在していました。

近代

慶応4年（1868年）には、一時的に安房上総知県事に属しましたが、その後、菊間藩、鶴舞藩と管轄が移り変わりました。明治4年（1871年）の廃藩置県と府県統合により、鶴舞県から木更津県、そして明治6年（1873年）に千葉県へと所属が変わりました。

明治11年（1878年）には、西国吉、岩崎、栢橋、寺谷とともに連合戸長役場を編成しました。明治22年（1889年）の町村制施行に伴い、明治村が発足し、「佐是」はその大字となりました。大正13年（1924年）には、明治村が町制を施行し、牛久町となりました。

世帯数と人口

歴史的に「佐是（佐瀬）村」あるいは「佐是」（現代の「佐是」の範囲と一致するとは限りません）の戸数・人口は以下のように推移しています。

1793年（寛政5年）：家数106（『上総[[国]]村高帳』）
1886年（明治19年）：戸数98、人口472（『上総[[国]]町村誌』）
1891年（明治24年）：戸数103、人口521
2022年（令和4年）4月1日現在：世帯数と人口は調査中

通学区域

市立小学校、市立中学校、県立高等学校の通学区域は以下の通りです。

小学校：市原市立
中学校：市原市立
高等学校：千葉県立

交通

鉄道

地域内を小湊鉄道線が通過していますが、駅は設置されていません（馬立駅と上総牛久駅の間）。

バス

路線バス：

道路

国道297号（大多喜街道）

施設

佐是運動公園
手綱川公園
市原市佐是土地改良区
市原市消防団南総支団 第16分団詰所
光福禅寺（曹洞宗）
八幡神社（字宮作に所在。旧社格は郷社）
妙見神社
市原市農協南部営農センター 佐是ライスセンター

脚注

注釈

出典

参考文献

小沢治郎左衛門『上総[[国]]町村誌 第一編』1889年。NDLJP:763698。
千葉県市原郡教育会『千葉県市原郡誌』千葉県市原郡、1916年。NDLJP:951002。
『明治22年千葉県町村分合資料 七 市原郡町村分合取調』1889年。http://e-library.gprime.jp/lib_pref_chiba/da/detail?tilcod=0000000014-CHB600196。

外部リンク

千葉県市原市佐是 (122192060) | 国勢調査町丁・字等別境界データセット
佐是 (1221914012) | 農業集落境界データセット

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