菊間

千葉県市原市 菊間

菊間（きくま）は、千葉県市原市北部に位置する市原地区の大字です。村田川の左岸、菊間台地と呼ばれる台地上に広がり、豊かな自然に囲まれた地域です。北は村田川を挟んで古市場、東は草刈、南東は大厩、南は山木・若宮、西は八幡と隣接しています。

歴史

古代

菊間台地には、前方後円墳3基、前方後方墳1基、円墳13基、方墳4基からなる菊間古墳群が存在します。これらの古墳は、古墳時代のこの地域の首長層の墓域と考えられています。また、『先代旧事本紀』には菊麻国造の記述があり、菊間廃寺もこの国造との関連が推測されています。さらに、『和名類聚抄』には菊間（くくま）の郷名があり、この地がその遺称地とされています。

中世

天正11年（1583年）の古文書には、上総国市原荘の一部である「菊間之郷」が確認できます。また、軍記物『房総治乱記』には、天正13年（1585年）に佐倉城主を殺害した人物が菊間で討たれたという記述があります。天正18年（1590年）の豊臣秀吉禁制にも「きくま」という地名が見られます。また、近世に筆写された『飯香岡八幡宮由緒本記』には、治承4年（1180年）に源頼朝が寄進した神田に「菊間村」が含まれていたと記されています。

近世

近世の菊間村は、上総国市原郡に属し、元禄10年（1697年）以降は旗本酒井氏などの相給となりました。

近代

菊間藩の成立

慶応4年（1868年）に、徳川宗家当主が駿府藩主となった際、沼津藩の水野家に代地として上総国市原郡内の土地が与えられ、菊間村に藩庁を置く菊間藩が成立しました。藩庁は千光院に仮陣屋を置き、雲境という場所に建設が試みられましたが、廃藩置県により中断しました。しかし、知藩事公邸や医局は完成しました。沼津からの藩士の移住は数波に分かれて行われ、武家屋敷や長屋が築かれ、人口が急増し、旅籠や商店も立ち並びましたが、廃藩置県と秩禄処分により衰退しました。

菊間村の成立

明治4年（1871年）の廃藩置県により菊間藩は廃止され、菊間県となりましたが、同年中に木更津県に統合されました。明治7年（1874年）には、菊間藩の藩校を継承する形で菊間小学校が開校しました。明治22年（1889年）には、町村制の施行に伴い、菊間村、古市場村、大厩村、草刈村が合併し、新たな菊間村が成立しました。旧菊間村は、新菊間村の大字「菊間」となりました。村役場は旧藩庁医局の建物を使用しましたが、後に倒壊しました。

現代

昭和30年（1955年）に市原町の一部となり、昭和38年（1963年）に市原市の大字となりました。昭和41年（1966年）には若宮団地が起工し、昭和46年（1971年）には大字菊間の一部が若宮二丁目から七丁目として分離しました。

現在の菊間

世帯数と人口

2024年4月1日現在、菊間の世帯数と人口は以下の通りです。

世帯数：記載なし
人口：記載なし

通学区域

菊間地区の小中学校及び県立高校の通学区域は以下の通りです。

小学校：市原市立菊間小学校
中学校：市原市立菊間中学校、市原市立八幡東中学校
県立高等学校：記載なし

施設

菊間地区には、以下の施設があります。

市原市立菊間コミュニティセンター
市原スポレクパーク
市原市立菊間小学校
市原市立菊間中学校
市原市立八幡東中学校
市原市菊間水再生センター
菊間終末処理場
大多喜ガス菊間供給所
県営菊間団地
姫宮公園

交通

鉄道

菊間地区内には鉄道駅はありません。最寄り駅は八幡宿駅です。

バス

バスの運行は縮小傾向にあり、2024年現在では地域内には片方向の1本のみが運行しています。小湊鉄道が運行していますが、人員不足のため2023年5月1日から2024年4月7日まで運休していました。2024年4月8日に一部路線が再開されました。また、徒歩圏内に他のバス停も存在します。

道路

千葉県道126号八幡菊間線
館山自動車道（ただし、出入口はなし）

参考文献

小沢治郎左衛門『上総国町村誌 第一編』1889年
千葉県市原郡教育会『千葉県市原郡誌』1916年
竹内克「菊間藩」『市原市菊間周辺の遺跡と文化財』2001年

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