佐津駅

佐津駅：兵庫県最北端の駅舎が語る歴史と自然

佐津駅は、兵庫県美方郡香美町香住区に位置する、JR西日本山陰本線沿線の駅です。近畿地方のJR西日本の駅としては最北端に位置し、豊かな自然に囲まれた環境にあります。

歴史と変遷:

佐津駅が開業したのは1911年（明治44年）10月25日。当時は播但線の一部として、城崎（現・城崎温泉）駅から香住駅までの路線延伸に伴い開設されました。駅開設当初から旅客と貨物の取り扱いを行い、地域の重要な交通拠点として機能していました。その後、1912年（明治45年）3月1日の線路名称変更により山陰本線に編入され、現在に至ります。

1971年（昭和46年）10月1日には貨物取扱いを廃止、1984年（昭和59年）10月1日には無人駅となりました。国鉄分割民営化後の1987年（昭和62年）4月1日からは、JR西日本の駅として運営されています。そして2022年（令和4年）10月1日には組織改正により、近畿統括本部福知山管理部の管轄となりました。

長い歴史の中で、佐津駅は時代の変化と共にその役割を変えながら、地域の人々の暮らしを支え続けてきました。


駅舎と構造:

佐津駅は、島式ホーム1面2線を有する地上駅で、列車の交換が可能です。豊岡駅の管理下にある無人駅であり、特徴的なのは開設当時から残る木造駅舎です。駅舎は線路の北側に位置し、ホームへは跨線橋で連絡しています。この歴史を感じさせる木造駅舎は、静かなたたずまいの中に、長年の歴史を物語っています。

利用状況と周辺環境:

2016年度の1日平均乗車人員は約118人です。周辺には、佐津郵便局（読みは「さづ」）、奥佐津簡易郵便局（読みは「おくさつ」）、長谷寺、佐津海水浴場、佐津温泉などの施設があります。また、香美町町民バスの停留所も駅前にあり、公共交通機関のアクセスも良好です。

特に夏季には海水浴客で賑わう佐津海水浴場は、多くの観光客が訪れる人気のスポットです。佐津温泉は、日帰り入浴も可能な施設で、旅の疲れを癒すのに最適な場所となっています。


周辺路線と過去の関連施設:

佐津駅の隣の駅は、竹野駅と柴山駅です。かつては竹野駅との間に相谷信号場がありましたが、現在は廃止されています。また、1985年から1996年の夏季には、海水浴客の利便性を図るため、当駅と竹野駅間に臨時駅「きりはまビーチ駅」が設置されていました。現在でも、冬場には特急「はまかぜ」の一部列車が臨時停車するなど、観光シーズンには利用客の増加に対応しています。


まとめ:

佐津駅は、歴史と自然が調和する、静かで落ち着いた雰囲気の駅です。古き良き時代の面影を残す木造駅舎や、周辺の観光資源、そして歴史的なエピソードの数々は、訪れる人々に忘れられない思い出を与えてくれるでしょう。兵庫県最北端の駅として、これからも地域の交通を支え続け、多くの人の旅路を見守っていくことでしょう。

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