佐竹義術

佐竹義術（さたけ よしやす）は、江戸時代後期に活躍した武士であり、佐竹氏一門の中でも有力な家柄である佐竹北家の第15代当主です。また、佐竹北家が領有する角館の第8代所預（ところあずかり）も務めました。

生涯

寛政5年（1793年）、佐竹義文の息子としてこの世に生を受けました。文政7年（1824年）には、秋田藩の藩主であった佐竹義厚が将軍徳川家斉に謁見する際、その供として同行しました。文政8年（1825年）には、父の隠居に伴い家督を相続し、角館城代に就任しました。角館は、秋田藩の中でも重要な拠点であり、その城代を務めることは、佐竹北家にとって大きな役割でした。

天保5年（1834年）には、北浦一揆が発生しました。これは、秋田藩の農民たちが年貢の取り立てや藩の政策に対して不満を爆発させた大規模な反乱でした。この時、義術は自ら一揆勢と面談し、彼らの不満を聞き入れ、粘り強い交渉によって、事態を収束させました。この行動は、義術の指導力と交渉能力を示すものであり、領民からの信頼を得る上で重要な出来事でした。

天保7年（1837年）、義術にとって大きな悲劇が起こります。嫡男である義陳（よしのぶ）が、わずか17歳という若さでこの世を去ってしまったのです。跡継ぎを失った義術は、その後、後継者問題に直面することになります。そして、天保12年（1841年）に義術自身もこの世を去りました。

家督は、義術の長女の息子、つまり外孫であり、多賀谷厚孝の長子である義許（よしもと）が養子として迎えられ、佐竹北家の後を継ぐことになりました。これは、当時としては一般的な措置であり、血筋だけでなく、能力や人柄を考慮して後継者を選ぶという考え方があったことを示しています。

脚注

特筆すべき脚注はありません。

参考文献

林正崇著『図説・角館城下町の歴史』無明舎出版、1982年

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