佐竹隆義

佐竹隆義（さたけ たかよし）

生涯

佐竹隆義は、平安時代末期に活躍した武将であり、佐竹氏の二代目当主です。新羅三郎源義光を曾祖父に持ち、初代当主・佐竹昌義の四男として生まれました。常陸奥七郡を領有する有力者でした。

治承4年（1180年）、源頼朝が挙兵した際、佐竹氏は平治の乱以降、平氏に従っていたため、源氏の血を引いてはいましたが、頼朝の呼びかけには応じませんでした。この行動に対し、『佐竹家譜』では、平清盛の奏請により、隆義が従五位に叙任されたと記されています。ただし、『新編常陸国誌』では、平宗盛の奏請によるものとされています。

同年10月27日以降、佐竹氏は頼朝軍の攻撃にさらされることになります。11月4日には、本拠地である常陸国の国府（現在の石岡市）への侵攻を許してしまいます。留守を預かっていた隆義の子・秀義らは防戦しましたが、最終的には頼朝軍に敗北しました（金砂城の戦い）。しかし、秀義の家臣である岩瀬与一太郎の懇願により、それ以上の追討は免れ、佐竹氏は滅亡を回避しました。ただし、佐竹氏の所領は没収され、八田氏に与えられました。

その後、隆義は常陸国に戻ったと考えられています。寿永2年（1183年）には、後白河法皇ら朝廷から上洛を要請された頼朝が、10月7日に藤原秀衡と隆義が鎌倉を攻める可能性があることを理由の一つとして、上洛要請を断っています。同年、隆義は66歳で亡くなりました。

隆義の兄とも長男ともされる義政は、金砂城の戦い以前に上総広常によって謀殺されています。次男の義清は庶子であったため分家し、稲木氏の祖となりました。三男の秀義が後を継ぎました。

参考文献

渡部景一『佐竹氏物語』無明舎出版、1980年7月。ISBN 4-89544-133-4。
洞院公定 著、今泉定介 編『尊卑分脈』吉川弘文館、東京〈故実叢書〉、1899年。NCID BN12488942。
* 木村茂光「金砂合戦と初期頼朝政権の政治史」『帝京史学』29号、2014年。

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