佐藤博信 (柔道)

佐藤博信は、1967年4月25日に宮城県柴田郡村田町で生まれた日本の柔道家であり、現在は体育学者として活動している人物である。

経歴と柔道キャリア

仙台育英高校を経て日本体育大学に進学。日体大では、「平成の三四郎」と称された古賀稔彦と同期として柔道部に在籍した。大学2年時の全日本学生柔道優勝大会では、準決勝で当時学生重量級のホープと目されていた天理大学の中谷弘と対戦。終始積極的な攻めを展開し、得意の背負投で一本勝ちを収めるという、大きな金星を挙げた。チームは惜しくも敗れたものの、この勝利が日体大の3位入賞に貢献した。また、体重無差別で競われる全日本学生選手権では、自身の階級である86kg級の選手でありながらも、より階級の重い選手たちを相手に戦い、見事に3位の成績を収めている。

大学4年時には、キャプテンの古賀稔彦を支える副キャプテンを務めた。卒業間近の主要大会でも活躍を見せ、体重別の全日本選抜として位置づけられる正力杯の86kg級決勝に進出したが、日本大学の山本旗六に敗れて2位となった。続く正力国際大会でも決勝に進出。準決勝では、後に世界チャンピオンとなる東海大学の中村佳央から有効を奪って勝利するが、決勝ではソ連のビタリー・ブデュキンに腕挫十字固で敗れ、惜しくも優勝を逃し、2位に終わった。

1990年からは大阪産業大学の教員となり、同時に柔道部のコーチとして指導にあたった。選手としても活動を続け、1991年の講道館杯では決勝で日体大の5年後輩にあたる田辺勝を合技で破り、国内主要大会での初優勝を果たした。この頃、佐藤は努力型の好選手でありながら、精神的な面で壁を乗り越えられない時期もあったとされているが、柔道の技術に関しては「跳ねる、刈る、担ぐ」という三拍子が揃っており、さらに身体的にも外国選手と十分に戦えるポテンシャルを持っていると評価され、今後のさらなる飛躍が期待されていた。

その後の活動

柔道競技から引退してしばらく経った2003年には、ブラジリアン柔術（BJJ）のプロ大会である「柔術DESAFIO」に挑戦するという、柔道家としては珍しい経験をしている。この大会では、当時すでに世界的なトップ選手であったホナウド・ジャカレイと対戦したが、三角絞による一本負けを喫している。

その後、関西学院大学へ活躍の場を移し、現在は同大学人間福祉学部の准教授として、柔道に関する研究や教育活動に従事している。

家族

佐藤博信には長男がおり、プロ野球選手の佐藤輝明として阪神タイガースで活躍している。

主な戦績

1987年 - 全日本学生柔道優勝大会 3位
1987年 - 全日本学生選手権（無差別） 3位
1988年 - チェコ国際 優勝
1989年 - 正力杯 2位
1990年 - 正力国際 2位
1991年 - 講道館杯 優勝

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