佐藤方政

佐藤方政（さとう かたまさ）

佐藤方政は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけての武将で、佐藤秀方の次男として生まれました。通称は才次郎、別名として重秀とも呼ばれています。母は金森長近の姉であり、美濃国鉈尾山城を領していました。

生涯

1594年、父・秀方の死により家督を継承しましたが、代々の名乗りである「六左衛門」は兄の清重が継ぎました。しかし、小田原征伐には父の代理として方政が出陣したとされています。これは、当時秀方がすでに隠居しており、兄・清重が病弱であったためと考えられています。

1598年の豊臣秀吉の死後、方政は岐阜城主・織田秀信の配下となりました。1600年の関ヶ原の戦いでは西軍に与し、手兵を率いて岐阜城に入城、戌亥出丸の守備を担当しました。東軍が迫ると、木曽川での阻止を試みた秀信に従い、方政は木造具正、百々綱家と共に新加納に布陣しましたが、8月22日の米野の戦いで福島正則、池田輝政率いる東軍に敗れました。その後の岐阜城の戦いでは名前が見られないため、戦線を離脱して敗走したと考えられています（一説には、母の実家である金森家に身を寄せたとも言われています）。

戦後、方政の領地と居城は没収され、母の弟である金森長近に加増として与えられました。その後、方政は浪人となり、1615年の大坂夏の陣で豊臣方として参戦しました。大坂城に籠城し、5月7日に戦死したとされています（ただし、大坂城に入城したとされる佐藤春信との記録が混同されており、入城していなかったとする説もあります）。戒名は「佐巌院殿以徳道隣大居士」です。


佐藤系図によれば、兄・清重は鉈尾山城滅亡後、養老郡上石津村乙坂に蟄居し、乙坂佐藤家の祖となりました。方政の嫡男・八兵衛は、大坂の陣の後、京都所司代の板倉勝重に許されて西国大名に仕官しましたが、程なく病死しました。次男の佐太郎は出家して尾張国熱田の円通寺の住持である弧舟となりましたが、後に遠島になったとされています。方政の子孫は岩村藩に仕えたと伝えられており、儒学者として知られる佐藤一斎もその子孫であるとされています。


このように、佐藤方政は戦国時代から江戸時代初期という激動の時代を生き、その生涯は数奇な運命に翻弄された武将の一人であったと言えるでしょう。

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