佐藤秀方

佐藤秀方（さとう ひでかた）

佐藤秀方は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将です。読み方は「ひでまさ」とも伝わります。父は佐藤清信で、美濃国鉈尾山城を居城としていました。

生涯

元亀元年（1570年）、父・清信の死後、家督を継ぎました。この時、上有知をはじめとする5,000貫の知行地を領有しました。織田信長が美濃国を制圧すると、秀方は信長に服属し、各地の戦いに参戦しました。永禄12年（1569年）の大河内城の戦い、元亀元年（1570年）の姉川の戦いと比叡山包囲、天正2年（1574年）の伊勢長島攻めなどで武功を重ねました。天正3年（1575年）の長篠の戦いでは、徳川家康の配下である酒井忠次隊に属し、鳶巣山城を攻撃しました。その後、織田信忠の配下となり、東美濃衆の一員として天正6年（1578年）の越中戦線（月岡野の戦い）にも参加しました。

天正10年（1582年）の本能寺の変後、秀方は日根野弘就、金森長近と対応を協議し、徳川家康と連絡を取り合っていたことが、家康からの書状で明らかになっています。その後、織田信孝と羽柴秀吉の対立が深まると、秀吉に味方し、天正11年（1583年）には森長可と連合して、信孝方につき立花山に籠城した遠藤慶隆を降伏させました（立花山の戦い）。この功績により、秀吉の家臣となり、鉈尾山城を安堵され、武儀郡の大半にあたる2万5000石を領有しました。

天正12年（1584年）の小牧・長久手の戦いでは、羽柴方として内窪山砦を守備しました。天正13年（1585年）には紀伊根来攻め（千石堀城の戦い）に参加し、同年、秀吉の命で金森長近による三木自綱攻めを支援しました。三木自綱降伏後、秀吉は長近に飛騨国を与えようとしましたが、長近が越前大野城を離れるのを渋ったため、秀方が萩原諏訪城を一時的に預かることになりました。この出来事をきっかけに、長近との関係が深まり、長近の姉を妻として迎え、姻戚関係を結びました。

天正18年（1590年）の小田原征伐では、馬廻組頭として600人を率いて参戦しました。ただし、次男の秀方が父の代理として出陣したという説もあり、当時の秀方はすでに隠居していたか、兄の清重が病弱であったためと考えられています。文禄の役にも従軍しました。

文禄2年（1593年）に秀方は隠居しましたが、当時、上有知・関に1万8000石、河内金田に2万石を領有していたとされています。隠居所は以安寺山麓でした。文禄3年7月20日（1594年9月4日）に死去しました。

秀方は、織田信長、豊臣秀吉という二人の天下人に仕え、数々の戦で武功を挙げ、その名を歴史に刻みました。

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