佐藤竹秀

佐藤 竹秀

佐藤 竹秀（さとう たけひで、1947年6月13日 - 2001年3月13日）は、静岡県富士市出身の元プロ野球選手です。右投右打の外野手として活躍しました。

アマチュア時代

静岡高校に進学後、1年生だった1963年には控え投手として夏の甲子園に出場しました。残念ながら登板機会はなく、チームは2回戦で銚子商業に敗れました。翌1964年の夏の県予選では、1学年上の長倉春生氏とバッテリーを組みましたが、準決勝で清水工業に敗れています。高校3年生となった1965年の春の選抜大会では2試合に登板しましたが、準々決勝では岡山東商業の平松政次氏（後に大洋ホエールズなどで活躍）に完封を喫し敗退しました。同年夏の県予選でも決勝まで駒を進めましたが、内田順三氏（後に読売ジャイアンツなどで活躍）を擁する東海大学第一高校に延長10回サヨナラ負けを喫し、惜しくも甲子園出場を逃しました。高校の同期には、後にプロ野球に進んだ小田義人氏や服部敏和氏がいます。

高校卒業後は日本軽金属に入社し、この頃に野手、主に外野手へと転向しました。社会人野球では、1969年の都市対抗野球大会にチームとして18年ぶりに出場しましたが、1回戦で日本生命に敗れています。

プロ野球時代

1969年のプロ野球ドラフト会議で、近鉄バファローズから6位指名を受けました。翌1970年シーズン終了後に入団契約を結び、プロ野球選手としてのキャリアをスタートさせました。

近鉄入団後、1971年にはジュニアオールスターゲームに出場するなど将来を期待されました。1974年に一軍に定着を果たし、打撃力を生かして主に代打として起用されるようになります。1975年シーズンは開幕から五番打者、左翼手として抜擢され、レギュラーとして出場機会を得ました。シーズン後半にはやや失速したものの、偵察要員を除いて53試合に先発出場するなど活躍しました。1976年も準レギュラーとしてチームに貢献しましたが、1977年には平野光泰氏が台頭したことで、出場機会が大幅に減少しました。

1978年のシーズンオフ、神部年男氏、寺田吉孝氏と共に、ヤクルトスワローズのチャーリー・マニエル氏、永尾泰憲氏との交換トレードでヤクルトへ移籍しました。ヤクルトでは1979年シーズンまでプレーし、この年限りで現役を引退しました。

選手としての特徴と記録

佐藤竹秀氏は、パンチ力のある打撃が持ち味で、特に左投手に強いことで知られていました。1975年にはキャリアハイとなる11本塁打を記録しています。

特筆すべき記録として、代打でのサヨナラ満塁本塁打をプロ野球史上3本放っています。中でも、1976年シーズンには、5月31日と7月11日のいずれも対太平洋クラブライオンズ戦で、相手投手・永射保氏から2本の代打サヨナラ満塁本塁打を放つという離れ業を演じました。同一シーズンに2度、代打でサヨナラ満塁本塁打を記録したのは、日本プロ野球史上2人目となる快挙でした。

主な個人初記録は以下の通りです。

初出場・初先発出場：1971年5月1日、対南海ホークス3回戦（大阪スタヂアム）、1番・中堅手として先発
初打席・初安打：同上、1回表に対戦相手の村上雅則氏から記録
初打点：1971年8月13日、対西鉄ライオンズ17回戦（平和台野球場）、1回表に東尾修氏から2点適時打
初本塁打：1971年8月27日、対東映フライヤーズ19回戦（日生球場）、8回裏に代打出場し、中原勇氏から2ラン本塁打

着用した背番号は、近鉄時代が「35」（1971年～1978年）、ヤクルト時代が「37」（1979年）でした。

引退後

現役引退後は、地元である静岡県に戻り会社員として生活していました。2001年3月13日、53歳で逝去されました。中学の後輩には、後に読売ジャイアンツなどで活躍した加藤初氏がいます。

代打での起用に応える勝負強い打撃と、歴史的な代打サヨナラ満塁本塁打の記録は、今なお多くのプロ野球ファンの記憶に残っています。

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